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トンボの日々

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2013年 05月 10日

カワトンボ三型

カワトンボを再評価すると言っても、その複雑な多型出現の法則を理解する気は起きない。

下の画像は同じ流れの狭い範囲で見られた3つの個体なのだが、全部ニホンカワトンボなのだろうか。
自信がいまひとつない。
採集した地域は、どうもアサヒナカワとニホンカワの混生地らしいのだ。

カワトンボ三型_a0126535_14493532.jpg


左上の個体はおそらく確実にニホンカワだが、その右の個体は翅の不透明部分が縮小していて、こう
いう個体はアサヒナカワにも見られるという。縁紋の長さも識別ポイントになるというが、よく分か
らない。

あとは胸高に対して頭部の幅などいくつかの違いはあるらしいのだが、こういう差異は多数の個体を
見比べなければ、実感として把握できないと思う。

こうして今年も、カワトンボのもやもやは消えぬまま、シーズンが過ぎてゆく。

by brunneus | 2013-05-10 14:51 | 東京 | Comments(4)
Commented by けい at 2013-05-10 23:01 x
こんにちは。

カワトンボ属の2種は、私も毎年捕まえつつも「どっちだろう・・・。」と毎回頭を捻って、同じくモヤモヤしたまま過ぎて行きます。
図鑑上では分布の境界線が引かれていても、実際には混生している場所が多い気もしますし、やはり数をこなして経験的に違いを見分けるのが無難かもしれませんね。
Commented by brunneus at 2013-05-10 23:14
けい さん
同感です。カワトンボに限らず、近似種の外見的な見分け方は、図鑑に書かれている点だけではよく分からないことが多いですね。
トンボを始めたばかりの頃、図鑑で見る金緑色のエゾトンボのグループはみんな同じに見えて、あまり興味が持てませんでした。
タカネトンボは先に手にしていたのですが、どうせみんなタカネみたいな感じだろう、と思っていたのです。しかし数年後、初めてハネビロエゾの雄を手にした時、その強烈な個性に驚きました。図鑑の写真では、この独特のフォルムは分からなかったのです。
やはり昆虫は、実際手に(もしくは生態を観察)してみて初めてその種への理解が深まると思います。
Commented by m-gyas at 2022-02-04 16:30 x
私個人的には、左がニホン、右がアサヒナ、下がアサヒナ無色型かと思われます。
よく図鑑で不透明斑の広さがポイントと書かれてますが、関東個体に関してはこの方法はほぼ無効でしょうね。アサヒナ生息地でも広いのとそうでないのと両方見ます。
今回も縁紋の長さと翅先端の形で判断しました。

先端がやや尖っていて縁紋が細長い →ニホン
上記の箇所が丸みをおびて縁紋が短い →アサヒナ

という感じです。
Commented by brunneus at 2022-02-10 19:45
m-gyasさん

お返事が遅れてしまいました。
実はこの画像の3個体は、最新の文献によると、全て「アサヒナの分布域」とされている場所の物です(この記事を書いた当時は、まだ文献を見ていませんでした)
ご指摘されている縁紋と翅端のアールの違いは、未だに僕は見分けられません。確かに不透明斑多少は識別の役に立たないな、と後年思いました。
ともかく、ニホンカワトンボのサンプルが沢山欲しいところです。


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