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トンボの日々

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2014年 07月 22日

どこにでも

今回訪れた島は山がちで水田も少なく、止水域に乏しい環境だった。
しかし、そんな島にも良く見られるトンボがこれ。

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オオメトンボ雄:体長48㎜前後(右/やや未熟 左/老熟個体)

純然たる南方系のトンボで、アジア太平洋地域を広く分布域としている。たまたま未熟気味の個体が採
れたので並べてみたが、やはり老熟して翅が煙り、翅端に褐色斑が出た個体が恰好良い。老熟個体は、
なんというか、直火で焦がしを入れたような、渋い体色をしている。まさに暗闇で活動するのにはうっ
てつけの色だ。

オオメトンボとの初めての出会いは15年ほど前、慶良間は渡嘉敷島でのことだが、黄昏時に道路脇の
小さな貯水升の上を俊敏に旋回している個体だった。イトトンボならいざ知らす、内地ではこんなに小
さな水溜まりで縄張りを張るトンボを見たことがなかったので、驚いた記憶がある。

オオメトンボは、このようなミクロな環境でも世代交代できる所が、強みなのだと思う。
まとまった止水域が無い島でも、庭先のちょっとした池や、コンクリートの貯水槽なら事欠かない。そ
んな僅かな水域を求めて縦横無尽に移動できる積極性が、このトンボの分布を押し広げているのだろう。

止水性トンボが乏しい中で、亜熱帯の定番のトンボに無事出会えたことに安心する。

by brunneus | 2014-07-22 11:49 | その他 | Comments(0)


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