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トンボの日々

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2014年 09月 27日

発見

このブログでは幾度となく書いているが、オオルリボシヤンマは、関東南部では出会うのが難しいヤン
マだ。個人的な感覚では、東京周辺では、このヤンマの「多産地」と呼べる場所は皆無なのではないか
と思う。

こんなヤンマなので、自分にとってのオオルリボシヤンマは、「遠征の時についでに採るヤンマ」で、
今まではじっくりと観察したことがなかった。特に雌はチャンスが少なく、たまたま目の前に現れた個
体を運良く採集、という記憶しかない。
しかし先日行った長野の産地では、見たこともないほどの数の雌たちが産卵していた。そして初めて、
産卵する時間帯、行動などをつぶさに観察することができた。オオルリボシヤンマの本場の底力を見た
思いだ。

数が多いので、採集した個体をじっくり観察すると、いろいろ発見がある。たとえば色彩。
このヤンマの雌は東日本では黄色型が優勢、という話を聞いたことがあるが、長野の産地で手にした個
体は、色彩のバリエーションが豊かだった。そのバリエーションは、だいたい以下の3パターンに収ま
っている。

発見_a0126535_25494.jpg

左:青色型 中:中間型 右:黄色型

発見は、真ん中の中間型とも呼べる個体。側面から見ると、胸部や腹部の斑紋が、「白色型」と呼んで
もいいくらい真っ白なのだ。上面から見ると、翅胸背面と、腹部第三節背面の斑紋は、やや青みを帯び
た緑色。複眼は緑色だが、微妙に青みを感じる部分がある。青と黄色の絶妙なハイブリッドだ。
この「白色型」は珍しいかというとそうでもなく、感触としては、黄色がやや優勢、青色、白色がほぼ
同率で見られた。

「白色型」は世間ではよく知られた型なのかもしれないが、自分にとっては新鮮な発見だった。
失敗のほうが圧倒的に多いトンボ採りだが、ごくたまにこういう出来事に出会うから、止められないの
だと思う。   
 









by brunneus | 2014-09-27 02:14 | 長野 | Comments(0)


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