トンボの日々

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2015年 11月 16日

鐘を叩く

二日前。
この時期にしては暖かな夜だったが、駐輪場に停めてある自転車のサドルに小さな虫影を見つけた。そ
っと手に取り、手のひらで動き回っていたのは、この虫。

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カネタタキ。
米粒程度の小さな虫で、静かな秋の日だまりの生け垣から聴こえてくる「チン、チン、チン」という微
かな音の主だ。それは確かに小さな鐘を叩いているようで、名付けた人物は誰だか知らないが、なかな
か風流な名前だと思う。
この音は、かつては「ミノムシの声」と思われていた、という記述を何かの本で見かけたことがある。
科学的にはあり得ない話だが、そういう想像力は好きだ。

自然が貧しい幼少期を過ごした新宿区にも普通にいて、どぶ川の畔の塀に絡む蔦の中にその姿を見つけ、
夢中になって葉っぱをかき分けて探したのを憶えている。

出現は意外に早く、晩夏には既にその音を聴いている。小さな音がこの時期になって俄に存在感が増す
のは、喧しいアブラゼミやアオマツムシの音が街から消え去ったからだろう。

この小さな鐘の妖精の声が聴こえなくなると、いよいよ長い冬がやってくる。
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by brunneus | 2015-11-16 01:03 | 東京 | Comments(2)
Commented by 同好A at 2015-11-16 12:50 x
私のほうもつい先日、霜を避けるために屋内に移動した植物あたりから盛んに合唱する「チン、チン、チン」を楽しんだばかりです。こういった虫に触れられるのもあと僅か、はやくも来シーズンを思い描き始めています。
Commented by brunneus at 2015-11-16 23:18
同好Aさま
屋内で聴く鐘の音、風流ですね!
カネタタキは立派な後脚を持ってるので、採集すると跳躍して逃げると思いきや、手の上を這い回り、隙間に潜り込もうとする行動が見られました。込み入った枝葉の間を走り回る習性を持つためでしょうか。これなら室内で鉢植えでも、室内に散りじりにならずに飼えるな、なんて思っています。

僕も早くも来年のトンボ行の妄想をあれこれと、、笑


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