トンボの日々

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2016年 07月 13日

南ぬ島・その3

二日目。
Kさんを秘密の池に案内した。

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ここはかつて、ホソアカトンボがひっそりと佇む静かな場所で、狂気じみた日差しから逃れるのに丁度
良い、お気に入りの場所だった。しかし入り口から池を覗いて仰天。
まず目に飛び込んできたのは、日向を乱舞する赤紫色。強烈な午後の光に怪しく翅を輝かせ、水面上を
縦横無尽に飛び交っている。アカスジベッコウトンボ、、、。

四年前に訪れた時、思いがけず2匹のアカスジベッコウトンボを見かけて驚喜した記憶があるが、その
時とあまりにかけ離れた目の前の光景に、目眩がする。元の住人であるホソアカトンボを探してみると、
池の隅の方にちょこんと1匹。完全に池の主がアカスジベッコウトンボに取って代わられたようだ。

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アカスジベッコウトンボ 左上:通常型雄 右上:つまぐろ型?雄 下:雄型?雌

しかし、数が多いことが幸いし、前回は手に出来なかった雌を採集することができた。雌には翅の色が
薄い異色型とも言えるタイプと、雄同様の雄型と言えるタイプが存在するらしいが、今回手に出来たの
は雄型のようだ。
よく見ると、雄も翅の先端が透明なタイプと、小さな斑点が出るつまぐろ型のようなタイプがあるよう
だ。


さらにこの日は、Kさん既知の、密林の中のホソアカトンボの池へ。

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風の通らないジャングルの中は、蒸し風呂だ。湿気と植物の香りに咽びつつ歩く。ホソアカトンボが群
れ飛ぶ姿を想像しながら辿り着いた場所には池は無く、かつて池であったであろう、湿った土がこびり
ついた窪地があるだけだった。当然ホソアカトンボの姿は無い。
Kさんが、しきりに上を眺めている。その視線の先、細い枝先にはスリムな中型トンボのシルエット。
ホソアカトンボだ。

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右:ホソアカトンボ雄 左:同雌

むせ返るジャングルの小道を歩きながら、頭上を注視すると、所々で同じように止まるホソアカトン
ボが目に入った。雨が降り、窪地に水が溜まるのを樹上でじっと待っているのだろうか。


爆発的に増えたアカスジベッコウトンボと、消えた密林の池と、小道のホソアカトンボ。
訪れる度に刻一刻と環境は姿を変え、「前と同じ」は無い。だからこそ遠征は難しいし、楽しいのだ。










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by brunneus | 2016-07-13 01:25 | 沖縄 | Comments(0)


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