トンボの日々

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2016年 07月 27日

南ぬ島・その8

「ワタリガニ科」
第4歩脚の先端が平たいオール状になり、この脚を駆使して、カニでありながら水中を飛ぶように泳ぐ
ことができるグループ。

自分の中でこのワタリガニ科は、カニの中でも特別な存在だ。しかし海辺に出かける度に探してみても、
生態も知らずに闇雲に石や泥を引っ掻き回すだけでは出会えるはずもない。


遠征二日目。
イリオモテミナミヤンマの気配すらないので、ちょうど潮目のよい時間に海岸へ降りてみた。

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満潮時はあたり一面海の底なのだが、良い感じに干潟が露出している。
今回の旅の、トンボ以外で一番の目的であるミナミコメツキガニを探して、沖へ。遮る物がない灼熱の
世界、と思いきや、海からの風のせいか、湿度が低いせいか、あまり暑さが苦にならない。

干潟に残る澪筋にじゃぶじゃぶと足を踏み入れる。真夏の太陽光に暖められた海水は、風呂の湯のよう
に熱い。
足元から逃げる半透明の小魚に混じって、黒っぽい物がもの凄い早さで水底を滑り、落ち葉の下に隠れ
た。何の生物か見当もつかない。そっと落ち葉をめくると、そこにあったのは、憧れだったカニの姿。


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上:ミナミベニツケガニ 下:ヒメガザミ

よく探すと、澪筋の中に、複数の個体が見つかった。別の場所では、ヒメガザミの姿も。

ミナミベニツケガニは、図鑑には「干潟に棲息」という情報しか書いていないことが多いが、澪筋のな
かを探すと、効率よく見つかることが分かった。しかしどの個体も甲幅5㎝以下で、大型個体は見つか
らない。成熟した個体は、また別の環境を住処としているのだろう。

それにしても、このカニは動きが素早いことこの上ない。
発見されると目にも止まらぬ早さで水底を滑り、物陰に隠れる。物をどかすと泥が舞い上がって、姿を
見失う。手近な所に隠れる物が無い場合は、素早く泥に潜って身を隠す。この隠れ身の素早さで、採り
逃がしたものも多い。

首尾よく発見した時も、容赦ない鋏攻撃を仕掛けてくるので掴む時は注意が必要だ。一度、隙を突かれ
てしこたま挟まれて出血。傷口が小さくても深いらしく、なかなか痛みが引かなかった。

トンボが不調でも、こういう楽しみがあるのが南方遠征の醍醐味だ。










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by brunneus | 2016-07-27 00:32 | 沖縄 | Comments(2)
Commented at 2016-07-28 22:16 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by brunneus at 2016-08-13 22:29
お返事ありがとうございます。詳細な返信は貴ブログにいたしましたので、宜しくお願いいたします。


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