トンボの日々

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2016年 12月 26日

衝撃

この年末に衝撃だった事柄をひとつ。

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写真は2011年に都内で採集したクツワムシ褐色型雄。
衝撃だったのはクツワムシではなく、一回り大きな、南方系のタイワンクツワムシに関しての事実だ。

基本的に、バッタやキリギリスなどのいわゆる直翅類の成虫の体色は、羽化後に変化することはない。
例えばクビキリギスの成虫は、緑色型の個体が越冬時に褐色に変化するのではなく、褐色型は春になっ
ても褐色、緑色型は冬でも緑色だ。直翅類は、個体の成熟度や周囲の環境で体の色が変わるのではな
く、幼虫時代から既に色型が決定されているのだ。 

と、思っていた。

しかし、最近手にした図鑑によると、タイワンクツワムシは羽化した時点ではほぼ全て緑色型。そして
日数と共に、ほぼ全ての個体が褐色型に変化するのだという。
ということは、発生初期は生息地の個体は全て緑色、発生後期は手にする個体はみな褐色、ということ
だ。しかも、近縁のクツワムシは、成虫になってからの体色変化は見られないらしい。

タイワンクツワムシの成虫の体色のバリエーションは、その他の直翅のそれとは、化学的にも生態的に
も異なる意味合いを持っている、ということになるだろう。他にも成虫で色が変わる直翅はいるのだろ
うか。

直翅の愛好家には良く知られた当たり前の事実かも知れないが、頭が凝り固まった門外漢にとっては、
これは衝撃だ。自然を理解するには思い込みや決め付けは禁物だ、ということを改めて思い知った。

南方を訪れた際のターゲットが、またひとつ増えた。








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by brunneus | 2016-12-26 12:12 | つぶやき | Comments(16)
Commented by ミーハー at 2016-12-26 21:25 x
アマミナナフシ大量飼育していますが、初齢は全部褐色。2齢は全部緑。3齢か4齢で緑、褐色、黄色、斑、胴体褐色足緑とかいろんなのが出てきます。そのまま成虫の色に…

ばらまき産卵だから初齢は落ち葉に擬態

下草の葉っぱにたどり着いた2齢は緑であとは、たどりついた場所によるのか遺伝なのか???

トノサマバッタは過密飼育で茶色くなります。
Commented by brunneus at 2016-12-27 17:12
ミーハー様

お久しぶりです。
アマミナナフシ、南方に出掛けると良く見ますが、雌の巨大な体格が魅力で、僕もついつい見かけると摘まんでしまいます。
幼虫の齢期が進むと色彩バリエーションが増える、という知見は、とても興味深いです。他の雌から産まれた幼虫でも、そのようなパターンなのでしょうか、、。

トノサマバッタのいわゆる群生相は、確かに幼虫時代の過密による変化と言われていますね。過密による餌不足が原因となのか、化学的な要因があるのか、、。

タイワンクツワムシの場合は、資料によると成虫の体色変化はどうやら日照時間と関係があるようで、日差しを浴びる量が多い個体は褐色化が遅れるようです。
この変化に生態的な戦略はあるのか、、それとも単に老化現象、、。

あれこれ考えると、絶好のオフの暇潰しになりますね!(笑)
Commented by ミーハー at 2016-12-27 21:40 x
今飼育中のアマミナナフシは緑2♀黄1♀ 茶2♂の混合飼育の幼虫です。そいつらが混ざって交尾繰り返してるので、それらの混ざった卵からの幼虫です。
4齢ぐらいで、いろいろバリエーション増えるのですが、斑や胴と足で色が違う型は成虫になると♀は緑か黄、♂は茶にまた収束していくようです。♀の茶や♂の緑も出ます。

むちゃくちゃ適当な掛け合わせの適当飼育なので、色の遺伝の管理できていません。

♀だけでも単為生殖して産卵するので、♀に変わった型がでたら固定飼育してみたいところです。
Commented by brunneus at 2016-12-28 11:53
なるほど。幼虫の色彩バリエーションも、成虫になると収束するんですね。

他の直翅も、成虫はほぼ褐色か緑色の2パターンですよね。ウマオイではごくたまに青色、クビキリギスではピンクの型が出るようですが、ウマオイの青色は緑色型、クビキリギスのピンクは褐色の派生型のような気がします。
緑色しか知られていないクダマキモドキ類や、褐色のみのシブイロカヤキリ、ヒサゴクサキリなど、グループによって偏りがあるのも興味深いところです。

アマミナナフシの特殊型が出たら、是非教えて下さい!
Commented by ミーハー at 2016-12-28 21:00 x
ピンクのクビキリギリスはイヌタデの仲間みたいな葉も花も赤い植物群落でみつかりますよ…
成虫は数が少なくて移動もするので見つかる確率はひくいけど、幼虫なら数いると見つけやすいですよ。

なんか特殊な遺伝型が環境に合わせて適者生存しているかんじですよ。
Commented by brunneus at 2016-12-28 21:16
それは面白いですね。
赤い植物群落にいる個体は赤くなる、、。
クビキリギスはイヌタデを食べるのでしょうか?
だとすると、体内にイヌタデの赤い色素が蓄積するとか、、。
以前、羽化させたリュウキュウギンヤンマを赤虫のみで飼育させたところ、緑の体色が、赤っぽくなったことがあります。
クビキリギスがイヌタデを食べないなら、やはり周りの環境が体色に作用している、ということになるかも知れませんね。
その場合、イヌタデの何がクビキリギスの体に作用しているのか、、。視覚と考えるのは簡単ですが、何か複雑な仕組みがあるのかも知れませんね。
Commented by ミーハー at 2016-12-28 21:29 x
ちょっと言葉足らずがありました。少ないピンクのクビキリギリスの探し方であって、赤い植物群落の中で、褐色や緑をかいくぐりなら採集していると、そういうところでピンクは見つかりやすいということで、ピンクは基本的に珍です。
Commented by brunneus at 2016-12-28 22:48
補足説明ありがとうございます。
ピンクはやはり珍しいのですね。イヌタデを見つけたら探してみようかな。他の環境ではピンク型は見られるのでしょうか。いつか本腰を入れて調べてみたいです。

クビキリギスは街中にも普通にいますが、夜に植え込みをごそごそやると怪しまれてしまうので、河川敷など、人目を気にせず探せる場所を見つけるところからですね笑



Commented by ミーハー at 2016-12-29 07:10 x
私はカメレオンの餌のために、ローラー方式で草原ひたすら踏んづけて直翅の数採集するんですが、やるなら昼間の方が色わかりやすい気がします。成虫ならピンクは飛べばすぐにわかります。
普通の草原ではピンクは見ませんね~
私はピンクは褐色の黄色色素欠乏型ではないかなぁとおもうんですが…
たまたま発生したのが赤い場所で生き残って増えやすいんじゃないのかなぁなんて…
ブルーのウマオイはみたことないけど、それも緑の黄色色素欠乏型とか?
Commented by brunneus at 2016-12-29 11:03
カメレオンの飼育は餌確保が大変ですね、、。
ピンク型は、いずれにしても人通りのない草原で探した方が良さそうですね。

僕もピンクは褐色の黄色欠乏、青は緑色の黄色欠乏で同感です。
トンボでは、黒化個体や体斑拡大個体は出現しますが、色素欠乏タイプは見たことがありません。

体色のバリエーションといい、直翅類は傾向として色素が不安定なのかも知れませんね。

昆虫は、色彩ひとつ取っても奥が深いです。
Commented by ミーハー at 2016-12-29 15:41 x
カメレオンの餌とり経験からいいますと、クビキリギリスは成虫越冬なんで、イナゴやショウリョウバッタが絶えた後、赤い草の生えてた付近を目をつけておいて、他の虫採りのシーズンオフの晩秋か初冬ぐらいにやれば、ツチイナゴとクビキリギリスばっかりで狙いやすいかと思います。それか早春。
後はなんか言いにくいんだけど、ピンクのクビキリギリスはただの草原や河原よりも、よく農薬や除草剤を使う田畑の回りの空き地が経験的に狙い目かもしれないです。
除草剤を使うところの辺縁に四つ葉や五つ葉のクローバーが多発するみたいな感じかなぁ…
Commented by brunneus at 2016-12-30 10:03
ご丁寧な解説ありがとうございます。

早春にそのような環境に行くことがあったら、探してみますね!
Commented by ミーハー at 2017-01-07 12:42 x
8月に採集したアマミナナフシ♀が一匹お亡くなりになりました。死にたてだけど褐色になってますね~
よーくみると、同日に採集した、まだ生きてる元緑型の♀も褐色になっています。黄色型は薄い褐色になっています。
もしかしたらアマミナナフシもタイワンクツワムシと同じパターンかも…
ただ、新成虫でも最初からの褐色型もいるけど…。

ヤイマ産なので当地では周年発生だから、次々新成虫が供給されるから野外の観察では気づかないのかもしれませんね…。

飼育してみて、言われてみて気がついた…。
Commented by brunneus at 2017-01-08 09:20
アマミナナフシでも色彩変化がありましたか!
やはり緑色から褐色の変化は個体の老熟度と関係しているのかも知れませんね。

他のナナフシ、または直翅でも成虫が色彩変化する種はいるのか?気になる所ですが、なかなかそれについて書かれた図鑑や文献は見当たりません。図鑑は識別に重きを置くので、こういう識別に直接影響しない情報はスペースの都合上載せられないんでしょうね。直翅をやる絶対人口自体少ないでしょうし、、。

Commented by ミーハー at 2017-01-09 13:18 x
いわれてみて、観察してわたったことがあります。
斑型や胴体褐色足緑型とかは、緑型の弱齢幼虫が褐色型へ変化する途中に現れるみたいです。
Commented by brunneus at 2017-01-09 23:37
緑色の弱齢から褐色への変化の過程ですか、、。
完全に褐色になりきれないまま成虫になったもの=斑型、胴体褐色足緑型、ということなのでしょうかね。

タイワンクツワムシも、弱齢は緑色で亜終齢までに色彩型が決定するようです。
どんな要因で体色の変化が誘因されるのかが知りたいですね。
トノサマバッタの群生相の場合とはまた異なるのでしょうね。




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