トンボの日々

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2017年 02月 25日

黒船

虫と美術。
どちらの世界にも片足を突っ込んでいる身からすると、現代の日本におけるこの2つの世界が置かれた
状況は似かよっていると思う。

国内の美大から毎年大量の学生が卒業するが、画家、作家として食べていけるのはそのうちの一握りに
も満たない。何故ならば、需要がないからだ。絵画や彫刻を気軽に買って家に飾っている人が、はたし
て自分の周りに何人いるだろうか?大多数の人々の生活に、絵画や彫刻は必要ないのだ。

前記事のソーラーパネル問題も含め、全国で動植物に保護の網をかける一方で開発がいっこうに止まら
ないのは、大多数の人々にとって、ちっぽけな虫けらよりも大切なのは金だからだ。
竹富町が4種の水棲昆虫を特別保護種に指定し、採集を禁止にするようだが、そもそもそうなった原因
も、西表島の低地の湿地や水田を次々に潰していった結果だろう。
要するに、開発を許可する権限を持つ組織には、本気で環境を保護する気がないのだ。

自然を理解することと、美術という概念は明治以前の日本にはそもそも無かった。
この二つは、ある日、浦賀水道に突如として黒い船の軍団が出現する光景を見た当時の日本人が、コン
プレックスの渦と共に大量に輸入した欧米原産の雑多な概念の中の一部だ。

つまり、日本の文化には美術と自然保護は根付いていない、ということなのだろう。もちろん、本気で
取り組んでいる人々もいるのは知っているが、その存在はあまりに頼りなく、心細い。

残念ながら、この二つの世界を取り巻く環境は、今後も厳しいものになるだろう。
絵画は趣味でも描くことはできるが、ウスバキトンボ以外は全て絶滅危惧種、なんてことになったら笑
うに笑えない。

自分に何ができるか、考えなければいけない。


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by brunneus | 2017-02-25 14:09 | つぶやき | Comments(0)


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