トンボの日々

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2017年 03月 02日

芦と横綱

ネアカヨシヤンマとアオヤンマは、どちらも図鑑的には「抽水植物が繁茂した池沼に棲息する」というこ
とになっている。

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環境から考えると、アオヤンマにとって、雌の産卵基質であるアシなどの背が高い抽水植物は必須だ。
いっぽう、ネアカヨシヤンマの雌は湿った土や、湿った朽ち木に産卵するので、必ずしもアシは必須で
はない。
アオヤンマはいるがネアカヨシヤンマがいない環境は、ネアカヨシヤンマの雌が産卵する湿土が無い、
という可能性が考えられる。中空に突き出たアシに掴まって産卵するアオヤンマと異なり、地面に降り
立って産卵するネアカヨシヤンマにとって、密生して生えるアシはむしろ邪魔な存在のはずだ。

こういった産卵基質が影響しているせいか、地面が必要ないアオヤンマは、大河下流の水郷地帯や公園
などの岸からすぐに水深が深くなる池、ネアカヨシヤンマは里山の谷津や休耕田などの湿地に産地が片
寄る傾向にあると思う。
千葉や都内の2種が混生する場所は、泥深いアシ池と湿土の両方がある、ということだろう。

ネアカヨシヤンマという和名は「翅の付け根が赤い、ヨシ原に棲むヤンマ」という意味だが、生態を見る
限り、「ヨシ」はむしろアオヤンマに献上すべき名前だ。
アオヤンマ改め「ヨシヤンマ」。ネアカヨシヤンマは、ヨシを外してネアカヤンマ、という所か。翅の根
元が赤くなるヤンマは実は他にもいるので、ここは発想をがらりと変えて、逞しく黒々とした体躯をふ
まえて「ヨコヅナヤンマ」はどうだろうか。

あっという間に3月。
あと3ヶ月もすれば、この2種が飛び交う季節がやってくる。





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by brunneus | 2017-03-02 11:19 | つぶやき | Comments(0)


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