トンボの日々

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2009年 07月 18日

まわりをしる

太平洋高気圧がついに本気を出しやがったな、と思ったら、梅雨明けの知らせ。

ここのところ、遠征はちっとも芳しくないが、近場の成績がいい。

一昨日。
午後。元同僚のMさんと駅前で別れたあと、向かったのは、川崎市の多摩川にほど近い谷津。
夏のシーズン開幕戦だ。

黄昏の谷津を音もなく猛速で飛び回る青黒い影。

マルタンヤンマ。
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暗がりでは影にしか見えないが、手に取ってみると、その美しさにどきりとする。

森の闇の奥から次々に繰り出される豪速の変化球に翻弄されつつも、久しぶりに充実したひとときを過ごすことができた。


そして完全に暗くなるのを待って向かったのは多摩川河川敷。
アトリエに参加し始めてから狙っていたのだが、うまくいかず、ついに3年越しの夢が叶った。

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ヒゲコガネ。

大河の河川敷や、海岸の砂地にのみ棲むという変わり種のコガネムシ。このあたりでは多摩川河川敷の何カ所でしか見られない。
恐らく、関東近辺では、カブトムシを除くと最も大きなコガネムシだろう。カナブンなんかを遥かに凌ぐその重量感。おまけに掴むと腹と鞘翅を擦りつけて「キュッキュッ」と鳴く。

この前のルリボシカミキリといい、ムネアカセンチといい、最近は地元での出会いがいつになく多い。
なんだか、多摩南部地域の自然の底力を見た気がする。開発されつくしている地域だが、その隙間を縫って、しっかりと深い自然のかけらが息づいている。(これからもそうであるように祈っている)

自分が日常的に行き来する地域の環境を観察するのは面白い。
マクロな視点から、自分の立ち位置が見えたような気がするのだ。

例えば実家にほど近い新宿区の戸山公園。でかい高層団地に囲まれた公園。
早春には人工池でヒキガエルの壮絶な蛙合戦が繰り広げられ、茂みからはクビキリギスの声が響く。
初夏の昼間には同じ池の上を鮮やかなコバルトブルーの残像を残しつつ、クロスジギンヤンマが旋回する。
夏の夜には林縁の薮からハヤシノウマオイの合唱、開けた空き地からはカンタンの甘い声が届く。
昼間の林の中で、大きなヤマカガシに出会ったこともあった。

例えば国立。冬には一橋大学の雑木林の梢をエナガを中心としたカラ類の混群が渡る。
そして今年は、春からずっとウグイスのさえずりが聞こえている。恐らく繁殖しているのだろう。普通、平地のウグイスは、夏になると山へ帰るのだが、、。
夕方になると、帰化種である、大きな緑色のワカケホンセイインコの群れが住宅地の上空を飛んでゆく。
夏の夜には大学脇の道路で、たびたび大きなカブトムシに出くわす。美しいアオドウガネもこのあたりでは多い種類。富士見台団地の垣根にはヤブキリが多産する。そして去年の夏には谷保の崖線でついにアカボシゴマダラを見た。(中国産の蝶で、誰かが数年前に神奈川で放蝶して以来、爆発的に殖えている)

去年の初夏には、立川の職場の真ん前で、オナガサナエの死骸を見た。多摩川からはるばる飛んで来たのだろうか。

アトリエのある川崎市麻生区周辺も、先述のマルタンヤンマ、ヒゲコガネをはじめ、ヤブキリも多い。アトリエの向かいの植木にも棲みついている。


自分がどんな所に棲んでいるのか、どんな所で働いているのか。
これからも観察していきたい。
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by brunneus | 2009-07-18 21:26 | 神奈川 | Comments(0)


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