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トンボの日々

brunneus.exblog.jp
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2019年 06月 26日

日照

悪天明けの晴天予報。
仕事があるので遠出はできないが、フィールドには出たい。いくつか選択肢があるが、この日選んだの
は、近場のアオヤンマの産地。前回の都内のポイントでは、一匹も飛ばないというまさかの展開だった
ので、確実性を重視した。
とは言うものの、この場所に行くのは3年振り。無事アオヤンマが見られるかどうか、不安がよぎる。

そして現地。

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雲が多いが日差しはあり、何より気温がじゅうぶんに高く、汗ばむほど。これは久々の感覚だ。
そして頭上を見上げると、、

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ゆったりと旋回する、待望のシルエット。目が慣れてくると、あちこちでアオヤンマが飛び交っている
光景が見えてきた。どうやら状況は良いようだ。
さっそく準備をして戦闘態勢に入るが、そのタイミングで太陽が雲に隠れた。するとあれほどいたアオ
ヤンマが、視界から全ていなくなってしまった。

やがて再び日差しが戻るといつの間にか頭上を飛び交うが、日差しが5分と長続きしない。狙いを定め
ているうちに再び薄暗くなり、視界から消え失せてしまう。予想外の苦戦を強いられた。

そして日差しに翻弄されるうちに時間切れ。
帰り道。頭上から雲が一掃され、見事な晴天が広がるのは、いつものお約束パターンだ。


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手にした個体は老熟の域にさしかかり、腹部が美しい青色に染まっている。
それにしても、アオヤンマがこんなに日照に敏感だとは思わなかった。いや、単に一年前のことを忘れ
ているだけかもしれない。

若干の消化不良感は残るが、夏が来る前に出会いたかったトンボを手にでき、まずまず満足。
そして意識は次のステージへ、、。




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# by brunneus | 2019-06-26 01:30 | その他 | Comments(0)
2019年 06月 19日

東京の琉球

今シーズン、まだ姿を見ていないアオヤンマを狙いに都内の産地へ。
しかし絶好の天気にも関わらず、アオヤンマはひとつも飛ばなかった。これには非常にがっかりだが、
その代わりにいたのがこの甲虫。

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リュウキュウツヤハナムグリ。

これはたまたま地面に落ちてもがいているのを拾ったもの。
その後、もしやと思い、飛んできた個体をはたき落とすとやはりリュウキュウツヤ。さらに近くには、
地面に落ちた死骸もあった。
この場所は、有名なポイントからは少し距離があるので、まさか見られると思っていなかった。

リュウキュウツヤハナムグリは、学生時代に初めて那覇を訪れた時に出会って以来、自分にとって亜熱
帯沖縄の象徴的な存在となっている。
しかし10年ほど前から、都内でリュウキュウツヤハナムグリの奄美亜種が見られ始めたらしい。
奄美亜種は、まず30年以上前に八丈島で最初に発見され、その後爆発的に増加。以降伊豆諸島を北上
し、一説によると、都内で見られる個体群は、伊豆航路の船内を介して侵入したという。

調べてみると、八丈島の個体群は奄美大島からの園芸植物と共に移入されたらしい。なぜ奄美なのかは
分からないが、ヒントとしては、1960年代に八丈島で発見されたアマミサソリモドキの存在がある。
ここからは個人的な推測だが、60年代と言えば沖縄は本土復帰前。当然物流面では同じ亜熱帯とはい
え、「アメリカ」である沖縄本島より「日本」である奄美大島の方が活発だっただろう。
その時代に出来た奄美ー八丈島の物流ルートに乗って、アマミサソリモドキやリュウキュウツヤハナム
グリがやってきた、とは考えられないだろうか。そして、船内に飛来したリュウキュウツヤハナムグリ
が、伊豆航路に便乗して東京湾岸へ上陸、、。

勝手な机上の推測を立ててみたが、いずれにしても、このきらびやかなハナムグリの出自をあれこれ考
えると、とても興味深い。

他にも誰かが放虫した、という説があるが、個人的には放虫より航海説の方がロマンを感じてしまう。
どこで見たか忘れたが、既に江東区や千葉、目黒区でも確認されたという記録があるらしい。想像以上
に各地に広がっているようだ。

様々な事象を温暖化に安易に結びつけることはしたくないが、南方系の昆虫、例えばタイワンウチワヤ
ンマ、クマゼミ、ツマグロヒョウモンなどの増加と北上の例はいくらでもあるが、逆に北方系昆虫、例
えばエゾゼミやオオルリボシヤンマが増えたというニュースは聞いたことがない。
東京は、南方系の彼らにとって棲みやすくなっていることは確実のようだ。

20年後の東京都の昆虫相は、どんなふうに様変わりしているのだろう。




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# by brunneus | 2019-06-19 23:16 | 東京 | Comments(2)
2019年 06月 17日

初物

貴重な梅雨の晴れ間。
今年はそんな日に限って仕事や予定が入っている。せめて森の空気を吸い込みたい、と一橋へ。例年樹
液を大量に出すクヌギがあるのだが、確認してみると、今年は出が悪い。数匹のシロテンハナムグリ、
スズメバチが来ているのみ。
そういえばカナブンをまだ見ていないな、、などと考えながら眺めていると、頭上から幹をまっすぐ降
りて来る大型甲虫の姿。目の高さまで降りてきた所をむんずと掴む。

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ノコギリクワガタ雄。サイズはそれほどでもないが、なかなかの良型。今年初物だ。
これから夜の大学通りでも見かけるようになるのだろう。

予報を見ると、動ける日は尽く雨。本格的に悪い天候サイクルに入ったようだ。
季節は猛スピードで夏へと向かっている。気持ちは焦るばかりだ。




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# by brunneus | 2019-06-17 00:00 | 東京 | Comments(0)
2019年 06月 12日

中途半端

梅雨入り前に見ておきたいアオサナエ。
雌は午後遅くから夕方にかけて産卵に訪れることが多いので、ポイントには夕方前に着くようにしてい
る。今年も相変わらず雄は多かった。

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問題は、川の流れが来る度に変わっていること。増水すると雌が産卵に来るような状態の水面が減って
しまうし、渇水だと産卵適地がありすぎて絞れない。
今年は二度ほど訪れたが、一度目は増水、二度目は渇水で、結局産卵シーンには出会えなかった。

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手にした雌は、岸辺の足元からふいに飛び出して、枯れ草に止まったもの。なんとも中途半端な出会い
だった。


○   ○   ○   ○   ○   ○   ○   ○   ○   ○


気付けばこのブログも始めてから6月で10年が経った。
何事も計画性を持って進めることが大の苦手なので、ブログを10年続けようと思ってやってきたわけ
ではない。ただ、だらだらと自己満足を垂れ流し続けた結果の、10年なのだ。トンボに対する採集、
探索センスも10年前と進歩なし。

いっぽう、変わったことと言えば、フィールドで出会う若者の数だ。
10年前は、自分より若いトンボ屋など殆どいなかったのだが、近年はどこに行っても長竿を持った少
年に出会う。そして今や、彼らは北海道や沖縄でさえ、近所のコンビニに買い物に行くような感覚で飛
び回っている(ように見える)。もはや南方や北方は「おじさん達の庭」ではなくなったようだ。
彼らはSNSを駆使して情報を交換し、持ち前の集中力と情報収集力でいとも簡単にポイントを割り出し
てしまう。
自然に興味を持つ若者が増えるのは喜ばしいことだが、果たして彼らのうちの何人が、間抜けな開発行
為を食い止める原動力になってくれるだろうか。







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# by brunneus | 2019-06-12 13:58 | 埼玉 | Comments(4)
2019年 06月 09日

再訪

先日のこと。
梅雨入りが秒読み段階に入る中での貴重な晴れ間。行きたい所は山ほどあるが、この日は消化不良に終
わったサラサヤンマの谷津に行くことにした。

現地に着くと、相変わらずトンボの気配が少ない。
期待の第一ポイントへ行くが、姿はなし。ここが外れてしまうと厳しいものがあるが、諦めずに周囲を
探索。しかしたまに雄が寂しくホバリングするだけで、雌が見つからない。
半分諦めの気持ちで元のポイントに戻ると、足元から黄色いトンボが飛び出した。いつの間に!
刺激しないように注視し、着地した所をまず確認。

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目を離さないように手探りでストロボを取り付け、接近。

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雌は産卵に集中し始めると、少しの光や振動には動じなくなる。

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頭部を中心に、くるくると回転しながら産卵する行動が面白い。

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よほどこの小さな朽ち木が気に入ったのか、雌は30分ほど夢中になって産卵していた。

結果的にこの日も雌は少なかったが、産卵する光景を心ゆくまで観察できたので満足。おそらく、これ
が今シーズン最後のサラサヤンマになるだろう。


6月7日に関東地方が梅雨入りしたらしい。
頭の中は、既に次のシーズンのトンボたちが飛び交っている。










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# by brunneus | 2019-06-09 14:13 | その他 | Comments(0)