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トンボの日々

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カテゴリ:つぶやき( 219 )


2019年 09月 04日

複眼の不可解

いわゆる黄昏活動性があるトンボの一部には、複眼の色が昼夜で変化するものがある。その最たるもの
はヤブヤンマで、黄昏時に採集される個体は例外なく複眼が黒い。

そして最近気になっているのがマルタンヤンマ雄。

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マルタンヤンマ雄は、黄昏時に採集した個体でも、複眼は上のように明るい青色をしている。しかし、
撮影用に仮保存している冷蔵庫に1日ほど置いてから出してみると、まだ元気に動いているにも関わら
ず、下のように色が暗くなってしまう。

マルタン雄は複眼の鮮やかさが命なので、色調が暗くなってしまった個体は、ヤブヤンマでやっている
ように、4〜5時間ほど窓辺に置いて自然光を当て、複眼の色が明るくなった所で撮影するようにして
いる。
不可解なのは野外の薄暗い環境で採集した個体の複眼も明るい色をしている、ということ。もしかした
ら光量でなく、温度に反応した変化なのかもしれない。いっぽうの雌では、状況による複眼の色彩変化
は無いのがまた不可解。

誰か、こういう何の得にも金にもならない研究をやっている人間はいないのだろうか、、?





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by brunneus | 2019-09-04 21:44 | つぶやき | Comments(0)
2019年 05月 22日

未知

昨日のこと。
八王子の職場で久々にウバタマムシを拾ってケースに入れたのだが、つい出すのを忘れて一晩放置して
しまった。
今日になって思い出して取り出してみると、傍らに不思議な物体が。

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はじめは糞の残骸かと思ったが、どうも様子が違う。

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よく見てみると、肌色の蝋状物質の中に、粒がぎっしり並べられている。どうやら卵のようだ。
ウバタマムシはマツに付くらしく、職場でも植栽のマツの付近でよく見つかる。雌は樹皮の間に産卵す
ることは想像に難くないが、卵の形状までは考えたことがなかった。
雌は一卵一卵産むものと勝手に思っていたのだが、この卵塊を見て予想を裏切られた。本来は、樹皮の
間を蝋状物質で埋めて、その中にまとめて産卵するのだろう。


見慣れた虫でも、未知な部分を知ると少し得した気持ちになる。
卵から成虫まで飼育するのはとても無理なので、明日、卵をマツの近くに戻しに行こう。





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by brunneus | 2019-05-22 00:06 | つぶやき | Comments(2)
2019年 05月 03日

知らないことばかり・その2

せっかくの10連休も、悪天候で前半が潰れてしまった。雨の日は画像を整理しているのだが、その中
での小さな発見。
手にしたムカシトンボ雄の顔面を見ていて妙に黄色っぽいのが気になり、雌と比べてみる。

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左が雄で、右が雌。
やはり雄のほうが、横長の黄色条が多い。具体的には、いわゆる上唇と呼ばれる部分が、雄は大部分が
黄色いのだ。
ムカシトンボを初めて手にしてから19年。顔面の斑紋に明快な性差があることを初めて知った。ムカ
シトンボのことは大概のことを熟知していた気でいたが、甘かったようだ。
トンボの世界もまだまだ知らないことばかりである。




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by brunneus | 2019-05-03 00:41 | つぶやき | Comments(0)
2019年 02月 18日

青色型?

ハードディスク内の整理をしていたら出てきた画像。

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昨年の初秋に山梨で得たルリボシヤンマ雌だが、腹部の付け根がほんのり青味を帯びている。青色型雌
がよく出るマダラヤンマ、オオルリボシヤンマと比べ、ルリボシヤンマは極端に青色型が少ないと思う。
トンボを始めて以来、関東甲信では一度もお目にかかったことがない。画像の雌も、青味部分はあるが、
全体で見れば間違いなく通常型の範疇だろう。
図鑑やウェブの写真でもルリボシヤンマの青色型の写真はあまり見かけないので、全国的に見ても、そ
れほど出現率が低いのかもしれない。
ルリボシの青色型に出会うには、なんとなく東北や北海道の方がいいのかも、と思っているが、実際は
どうなのだろうか。
このヤンマが乱舞する北海道の湿原で、一日中青い雌を探してみたい。






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by brunneus | 2019-02-18 00:12 | つぶやき | Comments(0)
2019年 01月 16日

11月中旬に採集したヒメカマキリの飼育を始めて、ちょうど2ヶ月。
既に3個ほど卵を産んでいるが、無事に年を越し、まだまだ元気に餌を食べている。

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こちらの動きにいちいち反応する様が可愛らしく、机の上にささやかな癒し空間を醸し出している。

カマキリの挙動を観察していると、いつも「何かに似ている、、」という既視感を覚えるのだが、机上
のヒメカマキリを眺めていて、ついに答えが出た。

それは猫だ。

ゆっくりとした、慎重でしなやかな動き、周囲の動きに敏感に反応する頭部、獲物を狙う時の低い姿勢。
そのどれもが猫と共通するものだったのだ。カマキリに限らず、樹上に暮らす直翅類は大概スローモー
ションだが、カマキリは頭部が自在に動くので、さらに猫の雰囲気が増すのだろう。
考えてみれば、カマキリも猫も同じ待ち伏せ型の狩りをする。同じ習性を持つ生き物は、姿形が大きく
異なるにも関わらず、種群を越えて同じ立ち振る舞いとなるところが面白い。トンボで言うなら、猛禽
類とミナミヤンマ類の滑空、というところか。


さて、このヒメカマキリ。
いつまでその愛らしい姿を見せてくれるだろうか。









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by brunneus | 2019-01-16 00:04 | つぶやき | Comments(0)
2018年 12月 15日

走馬灯

ここ数日の急激な冷え込みは、触れるPCのチタンが手に厳しい冷たさを伝える。
そんな時は、汗だくになってフィールドを走り回った良き思い出に浸ってみる。

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走馬灯のように。












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by brunneus | 2018-12-15 11:28 | つぶやき | Comments(2)
2018年 08月 07日

ハネエゾ三昧

少し前のこと。
久しぶりに訪れるハネビロエゾトンボの産地に、カメラを担いで訪れた。
相変わらず狂った暑さの毎日で、アプローチのことを考えただけでゲンナリするが、チャンスはこの日
しかない。曇りがちで日差しが弱いことが唯一の救いだ。

ポイントに到着すると、探すまでもなく、流れの上を往復する雄の姿。

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見ているとひっきりなしに雄がやってくる。個体数が多いことには安心したが、飛び方に落ち着きがな
い。撮影は苦戦しそうだ。

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ホバリングする時間も少なく、ファインダーに捉えた瞬間に他の雄に干渉され、一瞬で姿を消してしま
う。蒸し暑さで集中力も途切れがちだ。この状態では雌の産卵は厳しいか、、。

流れを行き来しながら、雄の密度が薄い場所を重点的に見て回る。そしてついに!

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チャンスはこの一回だった。いつ雄に見つかるかハラハラしながらの撮影だったが、最後には雄に連行
されて終了。

不満は残るが、一応、目的は達成できたのと、暑さでバテてきたので撤収。
帰り際。心当たりの木陰を覗いてみると、、、

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やっぱりいた。
木陰に避暑する雄。眠っているのか、こちらが多少ラフに動いてもびくともしない。
近くの枝にも別の雄の姿を発見したので、視線を移動させると、見えてきた光景に思わず息を呑む。

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狭い範囲に2雄1雌。実際はこの画角のすぐ外側にも雄が止まっている。さらに奥へ歩くと、、。

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雌が2匹。

ハネビロエゾトンボが、これほど高密度に静止している状況を見たことがない。やはり気温の高さに起
因した現象なのだろうか。

汗だくの一日だったが、滅多に見られない光景を目に出来て満足。
こんな日は帰路の長いアプローチも苦にならない。






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by brunneus | 2018-08-07 17:26 | つぶやき | Comments(4)
2018年 07月 19日

遠い記憶・その3

国道沿いの食堂で遅い夕食を食べ、疲れ果てて宿に戻る。
蚊取り線香の煙が漂う薄暗い廊下を進み、部屋へ。即座にエアコンを点けると、重々しい音と共に埃臭
い風が額を撫でる。汗を滴らせながら、部屋の温度が下がるのをじっと待つ。

やがて送風口からの風が涼やかになると、一気に緊張が解け、同時に眠気が襲ってくる。しかしここで
眠るわけにはいかない。
戸外にある洗濯機にじっとりと湿った衣服を放り込みスイッチを入れると、懐中電灯を持ち、ビーチサ
ンダルを引っ掛けて、海岸を目指す。
気持ち良さげな歌声が響くスナック街を抜けると、潮騒の音だけが鳴る漆黒の世界。どこまでも続く真
っ黒な水面の遥か遠くに、ぽつんと島の灯り。時々近くで点滅するのは漁港の灯台。
真っ黒い異世界に踏み込む軽い恐怖をごまかしながら、ハマヒルガオの葉を踏みしめて、波打ち際へ。

波の音が近くなった所で懐中電灯を点ける。

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光の中に浮かび上がる、異形のカニの姿。ツノメガニだ。
ここで動きを止め、カニに光の輪を浴びせながら徐々に間合いを詰める。カニからは光の向こうの存在
は見えないようだ。さらに近付く。

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充分に射程距離になった所で、一気に押さえ込む。

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国内最大のスナガニ、ツノメガニ。甲幅はアカテガニほどだが、脚が長いので遥かに大きく見える。
暗闇の中では、さらにその巨大さが際立つ。
スナガニ科に限らず、砂浜に棲むカニやヤドカリの多くは夜行性だ。昼間に訪れても、彼等は穴深く潜
って出て来ない。何かの間違いで砂に出ていることもあるが、近付く前に猛スピードで逃げられてしま
う。
彼等に出会うには夜。視力に長けた彼等も、暗闇だとこちらの姿が見えず、容易に近付くことができる
のだ。
この接近法を知ってからは、夜の砂浜探索は、南方遠征のルーチンになりつつある。昼間のトンボが振
るわなくても、夜のカニたちは裏切らない。


空を見上げれば、恐ろしいほどの星で覆われている。時々、緑色の光の残像を残して消える流星。
防波堤の上でしばし宇宙とシンクロしてから、また黴臭い宿の部屋に戻る。






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by brunneus | 2018-07-19 00:07 | つぶやき | Comments(0)
2018年 07月 14日

増減2018・その2

今現在入ってきている情報では、ヤンバルの馴染みのポイントのカラスヤンマが今年は非常に数が少な
いようだ。
川がどこも妙に綺麗だった、という話も聞く。世界遺産を睨んだ工事の影響もあるとは思うが、羽化の
時期の大雨で、ヤゴが底質もろとも根こそぎ流されてしまったのだろうか、、。きちんと調査したわけ
ではないので原因は不明だ。もしかしたら、たまたまその日が少なかっただけなのかもしれない。

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話変わってオオメトンボとアメイロトンボ。
オオメトンボは、オキナワミナミヤンマが飛ぶ渓流の水溜まりに朝行くと、多くの個体が飛び交ってい
る。しかし全く見られない年と、沢山の個体が飛び交う年がある。同じ時期の同じ時間なのに、不思議
だ。今年は最盛期とまではいかないものの、複数の個体が飛んでいたようだ。
アメイロトンボは海岸沿いの水田地帯や、その水路で見られるが、このトンボも個体数の増減が激しい。
全く見られない年が続いたかと思うと、あちこちで見かける年も。今年は少ないながらも見られたよう
だ。アメロトンボも移動性が強い種なので、個人的にはオオギンヤンマやトビイロヤンマとリンクして
いるのでは、と思っている。

トンボ以外ではこの虫。

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タイワンツチイナゴ。
この巨大なバッタとの出会いは、2000年の渡嘉敷島でのこと。山の頂上のだだっ広い草原で、足元
の草むらから歩く度に飛び出す赤茶色の小鳥がいて、正体を確かめようと近付くと、それがバッタで驚
いたことがあった。
その時の衝撃はずっと残っていて、次に出会ったら是非手にしたい、とその後の遠征で気をつけて見て
いたが、出会いに恵まれなかった。
今年はどこの場所でも大量に発生しているらしく、街外れの空き地やサトウキビ畑はもちろん、林道脇
のちょっとした草むらにもいたらしい。何がこのバッタの発生をコントロールしているのだろうか。

行く度に様々に表情を変える自然があるから、遠征が飽きない理由のひとつだと思う。









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by brunneus | 2018-07-14 13:09 | つぶやき | Comments(0)
2018年 07月 10日

遠い記憶・その2

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亜熱帯の島の、田舎のバスターミナル。
目的地へのちょうど中間地点という所だが、このターミナルにある売店が好きだ。白い光が充満する世
界から薄暗い店内に一歩入ると、涼しげな風が頬を撫でる。奥のベンチでは近所の女子学生が扇風機の
前で涼んでいる。雑然と並べられた雑多な商品の中から、いつも選ぶのはサーターアンダギーとターン
ムのパイ。そしてパックに入ったモズクの天ぷら。
商品の裏にいる店のオバアは、どこかへ行ってしまっている時もあれば、知り合いと長電話している時
もある。

やがて老いたエンジン音を響かせながら、乗り継ぐバスがやってくる。
冷房が効き過ぎた車内に、乗客は自分しかいない。暴力的な運転で国道をひた走り、さらに奥地へ。

午後遅く、海沿いの水田地帯へ降り立つ。

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午後とはいえ、日差しは衰える兆しもなく、頭上と地面の照り返しで光と熱にがっちりと全身を捉えら
れている。額を撫でる熱風、吹き出す汗。意識が朦朧としてくる。

汗で霞む眼を凝らしてイグサの間を覗くと、当初は見えなかったものが見えてきた。

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すぐに限界が来た。ぬるい水をいくら飲んでも体力が回復しない。いま必要なのはぬるい水ではなく、
身体の芯の温度を下げる冷水だ。身体が動かなくなる前に、谷間へ逃げ込む。

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心地よく冷えた川の水に足を浸していると、いくらか気分が楽になってきた。林道へと出てみると、頭
上に気配。見上げると、待ちこがれていたシルエットが舞っていた。

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これを見られただけでも、東京から10時間、遥々やってきた意味があるのだ。
久しぶりに出会う恋人を見たときのように、胸が高鳴るのを感じる。









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by brunneus | 2018-07-10 23:02 | つぶやき | Comments(0)