トンボの日々

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カテゴリ:つぶやき( 205 )


2018年 02月 15日

ヒタキ二種

冬になると、平野部に二種のヒタキがやってくる。

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ルリビタキ雌(もしくは若い雄)

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ジョウビタキ雌

ルリビタキは漂鳥で夏は亜高山の森で繁殖、ジョウビタキは冬鳥でロシアなどで繁殖。高温期は別々の
道を歩む二種だが、冬にはどちらも温暖な低標高地で越冬する。
鳥見をしていると、ジョウビタキはあちこちで見かけるのだが、ルリビタキはあまり見かけない。観察
していると、数の多少というより、好む環境の相違なのではないか、と思えてくる。
ジョウビタキは比較的明るい環境を好み、ちょっとした薮があれば、河川敷や疎林のある公園の広場な
どでも良く見かける。いっぽうのルリビタキはどちらかというと薄暗い環境を好むらしく、規模の大き
な森林を有する公園や、背後に山塊を控えた谷津に出現する。都心部でも森が深い新宿御苑や明治神宮
では見られるが、逆に校外でも小規模な公園には見られない。

ルリビタキの成鳥雄を見たくて、最近は多摩のあちこちを巡っているのだが、出会うのはジョウビタキ
ばかり。環境の他に、何か他にルリビタキが出現する要因があるのだろうか。

なかなか思うような出会いはない鳥見だが、鳥との間合いを計る緊張感はトンボ採りにも似て、一度憶
えると病み付きになる。トンボ採りとの違いは、カメラ一台で身軽に動けること。

もうしばらくはルリビタキを求めてフィールドに通う日々が続きそうだ。




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by brunneus | 2018-02-15 00:33 | つぶやき | Comments(0)
2018年 02月 08日

八王子の磯

ある日のこと。
仕事の移動時間に八王子の小さな川沿いをカメラを手に歩いていると、気になる鳥が視界に入った。

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ツグミ亜科の一種だとは思うが、確信が持てないまま接近。あの鳥だろうか、、

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確定。イソヒヨドリ雌。
自分にとってイソヒヨドリは、初夏の沖縄遠征初日、那覇空港のターミナルを出て、まず最初に耳にす
る声。それがこの鳥だ。
やんばるの海岸沿いには沢山いて、早朝は、民宿の部屋の中に聴こえてくるシロガシラと、イソヒヨド
リの艶やかな声で目が覚める。

そんな別世界に棲む鳥に、真冬の八王子の川で出会えるとは思ってもみなかった。しかし記憶を辿ると、
ずいぶん前にJR八王子駅前で声を聴いて驚いたことを思い出した。調べてみると、この界隈で繁殖する
個体もいるらしい。また、冬は奥多摩湖などにも出没するとのことなので、行動範囲は相当広いようだ。

トンボと同じく、鳥も追いかけてみると、毎回一度はどきりとする瞬間に出会う。そしてそのどきどき
を味わいたくて、再びフィールドに足が向く。これが中毒の始まりなのだろう。






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by brunneus | 2018-02-08 01:18 | つぶやき | Comments(0)
2018年 01月 29日

鳥見

相変わらず越冬する虫を探しているのだが、いつもすぐに飽きてしまうので、自然と視線は鳥へ向かう。

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トンボ始める前は、実は鳥一筋だった。
新宿の貧相な自然環境で生まれ育ったわけだが、少し規模が大きな公園に冬に行くと、そこそこ鳥見が
楽しめた。
常連はウグイス、シロハラ、ツグミ、コゲラ、メジロ、シメ、アオジなどで、運が良いとジョウビタキ
も見られた。
最近虫探しで訪れている公園では、馴染みの鳥たちが現れるのだが、シメだけには出会えていない。昔
はどこにでもいる鳥、という認識だったが、好みの環境があるのか、地域によって出現に差があるのか。
逆に、当時はジョウビタキは滅多なことではお目にかかれなかったが、近年は探さなくともあちこちで
目にし、縄張り宣言の声も聴かれる。

当時はただ目の前に現れる鳥を見て満足していたのだが、よく観察するうちに、公園という環境の中で
彼等がどうやって時間、空間を使い分けているのか、という所に興味が湧いてきた。

トンボシーズンまでの間に、どこまで彼等に近付けるだろうか。





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by brunneus | 2018-01-29 00:35 | つぶやき | Comments(0)
2018年 01月 12日

禁断

ここ最近は、新しく導入したカメラのテストも兼ね、ある虫を求めて近所の森を徘徊している。
センスと根気が無いので目的の虫にはなかなか出会えないが、足元にはらはらと舞い降りた気配にレン
ズを向けると、冬の日差しに眩しく輝くものが。

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ムラサキシジミ。
正月、神社に初詣に行くと、日だまりに並んだ参拝客の頭の上に止まっていたりする。ちらちらと姿は
見かけるが、まともに写せたのがこれが初めて。

画像を切り出してみる。

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コンデジのぼやけた画像に見慣れた目には、この描写は新鮮。

静かに雑木林を歩いていると、目の前からシロハラが飛び出したり、広場の杭にジョウビタキが佇んでい
たり、その向こうにはモズが、、とあちこち目移りしてしまう。

こうなると鳥もカバーできるレンズも欲しい、、、と新たな欲求がふつふつと沸き上がる。
禁断の世界に、足を踏み入れてしまったようだ。




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by brunneus | 2018-01-12 00:11 | つぶやき | Comments(0)
2018年 01月 08日

宇宙

数日前。
溜まりに溜まった標本を整理していると、箱の片隅に小さな糸屑のようなものが張り付いているのが目
に入った。剥がして摘んでみると、どうやら虫のようだ。なんとかそれらしい形に整形して、出来上が
ったのがこれ。

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素晴らしい造形美。
直感的にはヒメバチかアメバチの仲間だと思ったのだが、調べても該当する種に当たらない。捜索範囲
を広げてみると、「ツノヤセバチ」というグループが一番近いようだ。
この仲間は本土に「ニッポンツノヤセバチ」一種、その他の地域に数種知られているようだが、調べて
もあまり情報が出てこない。画像の個体はもはやどこで紛れ込んだのか分からないが、本州であること
は確実なので、「ニッポンツノ」で間違いないと思う。
長い産卵鞘から、恐らく朽ち木に潜む昆虫に外部寄生するものと思われるが、詳しいことは分からない。

ハチという昆虫は、そのバリエーションの豊かさが魅力的だ。
「ハチ目」と定義されているグループをざっと見渡してみると、その殆どが1㎝以下の小型種で、ミツ
バチやスズメバチなどの大型種はそれほど多くないことが分かる。小型種の中には体長0.1㎜程の極小
種もいて、ここまでくると、空中のプランクトンと呼びたくなる。

面白いのは、このような小型種の大部分が寄生性であるという点。種類数で言えば圧倒的に小型グルー
プが多いので、(例えばヒメバチ上科だけで国内に2000種と言われている)ハチという昆虫を説明
するとき、「ハチは寄生性の昆虫である。が、一部に例外も存在する」と言えるかもしれない。

寄生種は各種昆虫の卵を喰う極小グループが有名だが、材木に菌を媒介するもの、さらにその菌を利用
するもの、植物に寄生するハチに寄生するもの、寄生ハエに高次寄生、さらにはハンミョウの幼虫専門
に寄生するものまで、知れば知るほどその多様性に目眩がしてくる。

自然現象の法則のひとつにフラクタルというものがあるが、その小さな先端に「ハチ」というグループ
の世界があるとして、根元を辿っていくにつれ「昆虫」という枝葉の数は膨大になる。
それはまさに宇宙だ。
小さなハチたちのことを知ると、その深遠な宇宙の一端を覗いた気がして、意識が拡張されていくのを
実感する。

自然を理解するということは、その小さくも深遠な宇宙を果てしなく旅する、ということなのかもしれ
ない。






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by brunneus | 2018-01-08 20:48 | つぶやき | Comments(0)
2018年 01月 03日

蔵出し

もう随分前に作って放置してあった標本を、久々に取り出してみる。

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カヤキリのペア。
直翅の標本は腹を裂いて防腐処理をするのが王道らしいが、面倒なのでやったことがない。
この標本も、少しの薬品と乾燥、そして冷蔵を組み合わせて作成したものだが、案外体色が残ってくれ
た。画像では分かりにくいが、腹部も生時と変わらぬ緑色。
完全に乾燥した状態にもかかわらず、奥の雌は手に持つとずっしり重い。内容物と言うより、外殻の重
さなのだろうか。

カヤキリは、大型のサメ類を彷彿とさせる風貌が好きで、見かけるとついつい手に取ってしまう。掴む
とすごい力で暴れて巨大な大顎で噛み付いてくるので、一瞬たりとも気の抜けない緊張感が、またいい。
出現ピークが7月から8月なので、ちょうど黄昏ヤンマの帰りにその大声を聞くことが多い。

夕暮れの空を飛ぶヤンマのシルエットと、カヤキリの声。
半年後には再びその場所に自分がいるということが、寒さに凍える今からはとても信じられない。





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by brunneus | 2018-01-03 00:00 | つぶやき | Comments(0)
2017年 12月 31日

春を待つ

2017年の春は、個人的には近年稀に見る低調ぶりだった。
こんなはずでは、、とうなだれる毎日だったが、南方遠征あたりから徐々に復調。夏以降は概ねイメー
ジ通りのフィールドワークだった。

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手にして嬉しかったものを集めてみたが、初採集、初撮影のトンボもいくつか。

さて、2018年のシーズンは今まで通りの活動が果たしてできるのだろうか。そして新しい出会い、発
見はあるのだろうか。

早くも頭の中に飛び交うトンボを追いかけつつ、春を待つ。





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by brunneus | 2017-12-31 23:41 | つぶやき | Comments(0)
2017年 12月 07日

ガの魅力

夏に山梨の無人駅で拾ったもの。

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おそらくタケカレハ雄と思われる。
たまたま静止姿勢のまま死亡していたので、そのまま乾燥させ標本に。

ガという昆虫は、実に魅力的なグループだと思う。
まずはその種類の多さ。他の昆虫に比べて愛好家の絶対数が少ないのであまり研究が進まず、未知の種
が多く存在すると言われている。普段生活している世界に、未知のガが飛んでいると思うと楽しい気分
になってくる。
そして昼間に活動するチョウと比べて、姿形のバリエーションが多彩なのも特徴だ。中には体長が数ミ
リのグループもあり、身体の構造が同じはずのチョウにはこのような超小型種がいないのも不思議。

静止する姿が様々なことも、ガの魅力のひとつ。画像のタケカレハも、静止している姿は一般的なガの
イメージからはかけ離れている。生時の静止姿勢こそ、ガの最大の魅力だと思うのだが、静止姿勢をメ
インに扱った図鑑が少ないのが残念だ。

一説によると、夜行性のガの中から昼間に活動するチョウが分化した、といわれているが、なるほど、
そのバリエーションの豊かさからすると、チョウは「昼間に活動するガの一群」と考えたほうがしっく
りくる。

ガの深遠な世界にはまってしまうと戻れなくなりそうなので(食草との関係を憶えるのも大変)二の足
を踏んでいるが、好きなガとの出会いは常に期待している。

来年も良い出会いを夢見つつ、タケカレハの標本を眺める毎日。





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by brunneus | 2017-12-07 23:56 | つぶやき | Comments(0)
2017年 11月 26日

異端

トンボと呼ばれる昆虫は、大きく分けてイトトンボ類に代表される均翅類と、トンボやヤンマに代表さ
れる不均翅類に大別される。かつてはムカシトンボ科は均翅でも不均翅でもない独自のグループ、とさ
れていたが、最近は不均翅類に含められるようだ。
そして均翅類は前後の翅の形がほぼ同じで身体が細長く、翅を閉じて静止する(アオイトトンボ科の種
などは半開き)、不均翅類は前後の翅の形が異なり、翅を開いて静止する。
これは子供向けの図鑑にも書いてある、常識的な事柄だ。ただし、これは「日本国内での常識」だが。

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これはオーストラリアに分布する、Cordulephya pygmaeaというトンボ。
分類としてはエゾトンボ科に近いのだろうか、この種が含まれるグループの日本名は、まだ無いようだ。
小型のサナエトンボとエゾトンボを足して二で割ったような形をしているが、このトンボが特異なのは、
不均翅類であるにも関わらず前後の翅の形が似ている点。そして極めつけは、物に止まる際にイトトン
ボのように翅を閉じるのだ。現地では「Shutwing」と呼ばれていて、まさにその静止姿勢が名前の由
来になっている。

「不均翅類は翅を開いて止まる」と子供の頃から信じて疑わなかったのだが、このトンボを知った時は
衝撃だった。どんな生き物にも、その種が属するグループからはみ出した「異端者」があるが、それを
知った時、ショックと共に、世界の広さと自分の意識の狭さを嫌と言うほど実感する。

Shutwingたちは、どこでどんなふうに暮らしているのだろう。
いつか、その姿をこの眼で見てみたい。






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by brunneus | 2017-11-26 22:39 | つぶやき | Comments(0)
2017年 11月 16日

斜め上

昨年後半から、採集したトンボを斜め上の角度から撮影し始めた。今年は春から全ての種で斜め上撮影
を実行し、だいぶ充実してきた。

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この角度からは正確なトンボの形態は分からないが、立体的に斑紋の繋がりが見られる点が気に入って
いる。
今年は残念なことに春のトンボの出会いが少なく、アオサナエ雌、ムカシヤンマ雌、サラサヤンマ雌の
写真が撮れていない。来年は出会えるだろうか、、。







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by brunneus | 2017-11-16 18:35 | つぶやき | Comments(0)