トンボの日々

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カテゴリ:東京( 181 )


2019年 03月 21日

存命

数日前から一橋大学からはウグイスの拙い囀りが聴こえている。高知ではタベサナエ、シオヤトンボが
続々と羽化しているようだ。

そして机の上。

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昨年11月中旬に採集したヒメカマキリが、未だ存命。
既に卵は7つほど産んでいる。附節は欠け、中脚片方が抜け落ちても、食欲は旺盛。
日に日に春が深まるなかで、昨シーズンの非越冬性の昆虫が動いているのを見ると、なんだか不思議な
気持ちになる。

このまま平成時代を全うして、新元号まで生き抜いて欲しいものだ。




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by brunneus | 2019-03-21 22:56 | 東京 | Comments(0)
2019年 03月 15日

エンターテインメント

少し前のこと。
昨年見逃した、ある迷鳥の情報を偶然キャッチした。仕事がある日だったが、予報によると晴れはこの
日のみで、チャンスは他にない。現地に滞在できる時間が少なく、無事に出会えるかどうか不安だった
が、勢いに任せて朝のラッシュで混み合う電車に飛び乗った。
そして現地に到着。何しろ見たこともない鳥なので、どこにどんなふうにいるのかも分からない。しか
し彷徨うこと5分。すぐに居場所を発見できた。
発見したのは鳥ではなく、大砲レンズを持った人々の群れだ。人々の視線の先を覗くと、あっけなくそ
の姿が目に飛び込んできた。

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オジロビタキ。
さぞかしすばしこいのかと思いきや、枝の上で堂々とポーズを取り静止。じゅうぶんに撮影した頃を見
計らって、また移動。

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さらには目の前に止まってカメラ目線。

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オジロビタキの一挙手一投足に大砲カメラマンがどよめく。
こちら側の欲求を熟知したようなオジロビタキの振る舞いと、その一挙手一投足にどよめく大砲カメラ
マンの群衆。鳥見と言うより、何かのエンターテインメントなイベントに参加している錯覚に襲われた。
「オジロビタキ」とここで記したが、「ニシオジロビタキ」という近似種もいて、素人には見分け方が
分からない。ウェブでも「オジロ」「ニシオジロ」両方の記載があるので、ここではとりあえず「オジ
ロビタキ」としておこう。

日本列島はオジロビタキ類の本来の分布、渡りのルートから遠く離れているようで、国内では迷鳥とさ
れている。しかしここ数年、毎年のように少数が飛来しているらしく、昨年も関東で撮影されたものを
見た。残念ながらその時は場所を特定する前に抜けてしまったのだった。今年は当たり年らしく、都内
ではこの場所以外に3か所で発見されているようだ。

迷鳥との出会いは運次第。情報は少なくとも、行かない限り出会えない。「とりあえず行ってみる」こ
との大切さを実感した日だった。






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by brunneus | 2019-03-15 23:46 | 東京 | Comments(0)
2019年 03月 02日

久々

久々にまとまった雨が降った翌日。仕事前ではあるが、晴れの予報に期待して、鳥で有名な公園へ。
しかし現地へ着くと予報に反して曇り空。薄暗い風景の中での探索となった。
暗がりの池に目をやると、カルガモ、オオバンの群れに混じって見慣れないカモの姿。ファインダーを
覗いてみると、そこにいたのは久しぶりに見るオカヨシガモのペア。

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鳥影の濃いエリアを求めて歩き回ると、視界の隅を横切る大きめの鳥のシルエット。

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アオゲラ雌。
シャッターを押した瞬間、林の奥へ、、。

そして薮の中から「グッグッ」という声が聞こえたので臨戦態勢。息を殺して暗がりを凝視すると、、

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ようやく発見したルリビタキ雄。まだ羽色がくすんでいるので、若さを残した雄のようだ。
じっくり腰を据えて狙おう、、と思ったが、曇天で光量不足なのに加え、雄が茂みから出て来ないので、
決定的なシーンはものにできず、時間切れ。ルリビタキに関しては消化不良に終わった。

帰り際。
ようやく日差しが出ると、その中に輝く小鳥が。

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人慣れしているのか、至近距離で微動だにしないカワセミ雄。
カワセミは、あちこちで見かけるのだが警戒心が強く、なかなか近付けないのでじっくりとその美しさ
を味わうことができない。ここぞとばかりに陽光に輝く姿を目に焼き付けた。

そして帰り道。
JRの駅に入ろうとしたところで、頭上から聞き慣れない鋭い鳴き声を聞いた。経験的にただ事ではない
と直感、リュックからカメラを取り出して声の主を確認すると仰天。

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そこにいたのはなんと、チョウゲンボウだった。
ここは23区内、通勤や帰宅、買い物の人々でごったがえす駅前繁華街だ。しかもチョウゲンボウは二
羽いて、どうやら近くの通気口のダクトを営巣場所に選んでいるようだ。
チョウゲンボウは開けた河川敷で見ることが多い猛禽だが、まさかこんな場所で出会うとは夢にも思わ
なかった。これは定期的に通って観察する必要がありそうだ。

最近の鳥見はぱっとしない成果だったが、久々に胸が高鳴る体験ができて、満足!






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by brunneus | 2019-03-02 00:37 | 東京 | Comments(0)
2019年 02月 14日

鳥枯れ

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今シーズンの関東は、鳥枯れと言われている。
仕事の合間を縫って近場へ繰り出しているが、確かに鳥の気配が薄い。常連は相変わらず賑やかなのだ
が、いわゆる冬鳥の出が悪いのだ。昨年良い出会いがあった記憶を元にその場所を訪れても出会いはな
し。なんというか、森の中が殺風景なのだ。

中でも少なく感じるのは、ツグミ。
ここ一週間ほどでようやく姿が見られるようになったが、まだまだ昨年の数には遠く及ばない。普段な
ら、ちょっとした草地や河川敷やグラウンドには必ず姿が見られるものだが、今年は見かけることが殆
どない。
こういう現象を目にすると、つい「異常気象」「温暖化」という言葉が浮かんでしまうが、ツグミの渡
来数の多少は過去にもよくある現象らしいので、自然の大きなうねりの中の一部を見ている、というこ
となのだろう。

残り少ない冬鳥のシーズン。せめて昨年楽しませてもらった青い鳥くらいはお目にかかりたいものだ。





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by brunneus | 2019-02-14 00:48 | 東京 | Comments(0)
2018年 12月 28日

透し翅

秋のある日の夜のこと。
立川駅を出発した中央線が国立駅に到着しょうとしていた頃に、その車内で小さな騒動が起きた。
車内はそれほど混雑はしていなかったが、お互いの身体が触れ合わない程度の間隔で乗客が立っている。
国立駅構内で列車が減速を始めると、窓際にいたカップルのうち、女性の方が小さな悲鳴を上げてさっ
と身をかわした。男性の方も異変に気付いたようで空間を注視している。
視線の先を見ると、小さな黒いハチが男性の頭上をうろうろしている。それに気付いた周囲の乗客も、
身の安全を確保できる距離にじわじわと遠ざかる。ハチだとしても大きさからして危険なものでもない
し、もうすぐ電車を降りるので避けることもなくハチを眺めていると、逃げた女性の方へ飛んでいき、
その頭上の中吊り広告へ止まった。そのシルエットを見て、脳内に電流が走る。これはあの虫だ、、。
肩を竦めて固まっている女性の頭越しにさっと腕を伸ばし、虫を手中に入れて、何事もなかったように
ホームへ降り立った。

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コスカシバの仲間。
家に持ち帰る過程で痛めてしまったのと、その後の管理が悪かったので斑紋が不明瞭になってしまった
ので、数種あるコスカシバ類の中でどの種にあたるかは分からない。
ハチに擬態した蛾としてはスズメガ科のオオスカシバが有名だが、この蛾はスカシバガ科という、全種
がハチに擬態したグループに属している。
スカシバガ科はその蛾らしからぬフォルムが魅力的で、野外で見かけるとつい本気で追い回してしまう
のだが、なかなか出会いに恵まれない。今年はオオモモブトスカシバという大型の美麗種をすんでの所
で取り逃がしている。
出会いを渇望していたスカシバに、仕事帰りの電車内で出会えるとは夢にも思っていなかったので、こ
の日は仕事の疲れも一瞬で吹き飛んだ。

調べてみると、スカシバガ科は一年を通して様々な種が出現するので、来年は気をつけて見てみたい。
とりあえずは今年手に出来なかったオオモモブトスカシバを当面の目標としてみよう。





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by brunneus | 2018-12-28 23:51 | 東京 | Comments(2)
2018年 11月 12日

霜降り

見かけると嬉しいハラビロカマキリ褐色型。

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樹上性であるハラビロカマキリは、住宅の庭や、ちょっとした緑地でも見かける都市生活者だ。
新宿で過ごした幼少時代はカマキリと言えばコカマキリで、その次に見るのがオオカマキリ。ハラビロ
カマキリは滅多に見られないので、手にした時の興奮は今でもよく覚えている。
しかし、再び虫に目を向けるようになって気付いてみると、目につくのはハラビロばかりで、コカマキ
リを殆ど見ない。住む地域が変わったからか、目が悪くなったからか、、。

そんなハラビロカマキリ。
見かけるのは殆ど緑色の個体で、この個体のように褐色型を見ることは少ない。
オオカマキリでは褐色型も多く見かけるのだが、この比率の差はどうしてだろう。そういえばコカマキ
リの緑色型も少ない。
おそらく、ほぼ樹上から降りないハラビロは木の生葉色のほうが都合が良く、樹上と低い場所両方で生
活するオオカマキリは緑と褐色がバランス良く発生し、主に地面付近で生活するコカマキリが殆ど褐色
型である理由も、周囲の環境によるもの、、、なのだろうか。

ハラビロカマキリの褐色型は、他のカマキリの褐色型には無い、霜降り模様が特徴。個人的には、
「霜降り型」という名前を付けたいくらいだ。

そろそろカマキリたちのシーズンも終わりを迎えようとしている。
今年はあと何回、カマキリたちに出会えるだろうか。







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by brunneus | 2018-11-12 22:12 | 東京 | Comments(4)
2018年 11月 04日

カマキリの谷

昨年から気になっていた虫を探しに、都内南部へ。
その虫が活動する時間も、場所も判然としないまま、現地には昼前に到着。どこを探したら良いかもわ
からないまま森の中の道を彷徨っていると、じっとこちらを見つめる視線。

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ハラビロカマキリ。惜しいがこれではない。

さらに歩くと目に入ったものも、、。

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オオカマキリ。これでもない。

やはりさしたる情報もないまま現地に突入するのは無謀だったか、、。
「玉砕」の二文字が頭の中にちらつき始めた頃。建物の階段の手すりに枯れ葉が引っかかっているのが
目に入った。

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無視しようとも思ったが、何となく気になったので近付いてみると、、

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やっと見つけた!
さらにその数メートル先の壁面にも、、

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連続して2雌発見で、一気に不安は吹き飛んだ。
その後。
トイレに入って手を洗おうとすると、ぽとりと脇に枯れ葉が落ちてきた。

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枯れ葉ではない!

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この日の本命、ヒメカマキリ。
嘘か本当か知らないが、かの有名なハナカマキリ科に属する国内唯一の種だという。
見慣れたオオカマキリやハラビロカマキリの幼虫サイズのくせに、生意気にも翅が生えているという、
なんとも憎いカマキリ。
昨年、都内にも棲息していることを知って以来、フィールドに出るたびに気をつけて探していたが、出
会いは叶わなかった。近い仲間のサツマヒメカマキリは、三年程前、ミナミヤンマを求めて四国に遠征
した時に、偶然海沿いの道路を歩いていた雌を採集している。

その小ささを何とか表現したいのだが、これで伝わるだろうか。

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気配を察知するとすぐにぴたりと伏せるさまや、いじるとぽとりと落ちて疑死する行動、前脚を揃えて
前方に突き出してじっとする姿は他のカマキリに見られず、この南方系カマキリのエキゾチックな雰囲
気を感じる。

この日訪れた場所は湿気が多い谷津だったので、そのあたりをキーワードに、時間があれば新産地を開
拓してみたい。









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by brunneus | 2018-11-04 23:48 | 東京 | Comments(0)
2018年 10月 28日

コノシメの池

めっきり冷え込んだ10月。
カトリヤンマの記録がある都内南部のポイントを訪れたが、気配すら確認できず。
そのかわり、ポイント近くにある人工的な池で、思いがけずコノシメトンボの産卵シーンに出くわした。

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雰囲気が違うペアが飛来。これはネキトンボ。

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コノシメトンボの記憶を辿ると、行きつけのオオルリボシヤンマのポイントで時々見かける程度で、一
度に沢山の個体が飛び交う光景は見たことがなかった。
この池は護岸に囲まれ、抽水植物が全くない。トンボ的には限りなく零点に近い環境にも関わらず、コ
ノシメントンボで賑わっている光景は意外だった。底に豊富に溜まった泥や藻が鍵なのかも知れない。

そして今日。
ふと思い出し、駅前に行くついでに一橋大学構内の池を訪れてみた。

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ここもコノシメトンボで大賑わいだった。
この池も見るからに食指が動かない環境だが、やはり水中には藻が豊富にある。
どうやらコノシメトンボは、水中環境が整っていさえすれば、外観には全く拘りが無いようだ。

今までアカトンボ属は一部の種を除いてあまり関心を持ってこなかったが、ファインダーを通して観察
してみると新たな発見があり、楽しい。

もうしばらく近所のコノシメポイント通いを続けてみよう。







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by brunneus | 2018-10-28 21:22 | 東京 | Comments(2)
2018年 10月 08日

春と秋

ルリボシヤンマの雌を求めて、都内の谷津を訪れた時のこと。
岸辺でじっと雌の飛来を待っていると、待望のシルエットが舞い降りて、足元で産卵を始めた。さっそ
くファインダーを覗くと、、

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そこにいたのは目的のルリボシではなく、オオルリボシだった。
オオルリボシは撮り飽きているが、貴重な都内産の雌だ。丁寧にその姿をレンズで追っていると、オオ
ルリボシ雌の背後に、別のヤンマらしきトンボが降り立った。

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一瞬、脳内のデータベースが「該当種なし」と回答する。無理もない。そのヤンマは、とうの昔にシー
ズンを終えているはずのクロスジギンヤンマだったのだ。

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春のヤンマと秋のヤンマのツーショット。なかなか見られない風景ではないだろうか。

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クロスジギンの雌も、頻繁に場所を変えながら接近し、しまいにはすぐ目と鼻の先で産卵している。
以降、1時間近くに亘って、2種のヤンマは一心不乱に産卵に勤しんでいた。

クロスジギンヤンマは春に個体数が多いヤンマではあるが、山間部では秋にも時々目にする。水温の関
係か、2化しているのかは分からないが、平地と山間部で発生パターンが変わるのが興味深い。

この日はルリボシヤンマこそ姿を見せなかったが、思わぬサプライズで充実した一日となった。








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by brunneus | 2018-10-08 00:19 | 東京 | Comments(0)
2018年 10月 01日

5年振り

例年、都内西部のマルタンは9月中旬を過ぎるとぱたりと姿を見かけなくなる。
今年の秋は雨が多い。マルタンが終わる前にもう一度姿を見ておきたくて、悪天の隙をついて、とって
おきのポイントを訪れた。
マルタン雄は1匹だけ飛んでくれたが、終了間際、岸辺を黒いトンボがゆっくりと行き来しているのが
目に入った。殆ど視界が利かないので良く見えないが、マルタン雄にしては黒すぎる。眺めるうちに、
ある確信に変わった。
狙いを定めてさっと竿を振ると、微かな手応え。ネットから取り出すと、やはり!


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エゾトンボ雄。
この場所で最後にエゾトンボを手にしたのは2013年。実に5年振りだ。
個人的な印象では、都内のエゾトンボは山沿いや丘陵地沿いの湿地を点々としながら細々と世代を繋い
でいるのだと思われる。この場所では2012年、2013年と連続して見られたが、その後全く見て
いない。ついに絶えたかと思っていたが、どこからともなく再び飛来したようだ。この日、どう見ても
エゾトンボ雌らしきシルエットのトンボが高空を摂食するのを目撃したので、数年後、彼らの子孫にま
た出会えるかもしれない。

今年のマルタンは尻すぼみに終わったが、思わぬ外道に嬉しくなった。






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by brunneus | 2018-10-01 21:55 | 東京 | Comments(0)