トンボの日々

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カテゴリ:東京( 176 )


2018年 11月 12日

霜降り

見かけると嬉しいハラビロカマキリ褐色型。

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樹上性であるハラビロカマキリは、住宅の庭や、ちょっとした緑地でも見かける都市生活者だ。
新宿で過ごした幼少時代はカマキリと言えばコカマキリで、その次に見るのがオオカマキリ。ハラビロ
カマキリは滅多に見られないので、手にした時の興奮は今でもよく覚えている。
しかし、再び虫に目を向けるようになって気付いてみると、目につくのはハラビロばかりで、コカマキ
リを殆ど見ない。住む地域が変わったからか、目が悪くなったからか、、。

そんなハラビロカマキリ。
見かけるのは殆ど緑色の個体で、この個体のように褐色型を見ることは少ない。
オオカマキリでは褐色型も多く見かけるのだが、この比率の差はどうしてだろう。そういえばコカマキ
リの緑色型も少ない。
おそらく、ほぼ樹上から降りないハラビロは木の生葉色のほうが都合が良く、樹上と低い場所両方で生
活するオオカマキリは緑と褐色がバランス良く発生し、主に地面付近で生活するコカマキリが殆ど褐色
型である理由も、周囲の環境によるもの、、、なのだろうか。

ハラビロカマキリの褐色型は、他のカマキリの褐色型には無い、霜降り模様が特徴。個人的には、
「霜降り型」という名前を付けたいくらいだ。

そろそろカマキリたちのシーズンも終わりを迎えようとしている。
今年はあと何回、カマキリたちに出会えるだろうか。







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by brunneus | 2018-11-12 22:12 | 東京 | Comments(4)
2018年 11月 04日

カマキリの谷

昨年から気になっていた虫を探しに、都内南部へ。
その虫が活動する時間も、場所も判然としないまま、現地には昼前に到着。どこを探したら良いかもわ
からないまま森の中の道を彷徨っていると、じっとこちらを見つめる視線。

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ハラビロカマキリ。惜しいがこれではない。

さらに歩くと目に入ったものも、、。

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オオカマキリ。これでもない。

やはりさしたる情報もないまま現地に突入するのは無謀だったか、、。
「玉砕」の二文字が頭の中にちらつき始めた頃。建物の階段の手すりに枯れ葉が引っかかっているのが
目に入った。

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無視しようとも思ったが、何となく気になったので近付いてみると、、

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やっと見つけた!
さらにその数メートル先の壁面にも、、

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連続して2雌発見で、一気に不安は吹き飛んだ。
その後。
トイレに入って手を洗おうとすると、ぽとりと脇に枯れ葉が落ちてきた。

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枯れ葉ではない!

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この日の本命、ヒメカマキリ。
嘘か本当か知らないが、かの有名なハナカマキリ科に属する国内唯一の種だという。
見慣れたオオカマキリやハラビロカマキリの幼虫サイズのくせに、生意気にも翅が生えているという、
なんとも憎いカマキリ。
昨年、都内にも棲息していることを知って以来、フィールドに出るたびに気をつけて探していたが、出
会いは叶わなかった。近い仲間のサツマヒメカマキリは、三年程前、ミナミヤンマを求めて四国に遠征
した時に、偶然海沿いの道路を歩いていた雌を採集している。

その小ささを何とか表現したいのだが、これで伝わるだろうか。

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気配を察知するとすぐにぴたりと伏せるさまや、いじるとぽとりと落ちて疑死する行動、前脚を揃えて
前方に突き出してじっとする姿は他のカマキリに見られず、この南方系カマキリのエキゾチックな雰囲
気を感じる。

この日訪れた場所は湿気が多い谷津だったので、そのあたりをキーワードに、時間があれば新産地を開
拓してみたい。









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by brunneus | 2018-11-04 23:48 | 東京 | Comments(0)
2018年 10月 28日

コノシメの池

めっきり冷え込んだ10月。
カトリヤンマの記録がある都内南部のポイントを訪れたが、気配すら確認できず。
そのかわり、ポイント近くにある人工的な池で、思いがけずコノシメトンボの産卵シーンに出くわした。

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雰囲気が違うペアが飛来。これはネキトンボ。

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コノシメトンボの記憶を辿ると、行きつけのオオルリボシヤンマのポイントで時々見かける程度で、一
度に沢山の個体が飛び交う光景は見たことがなかった。
この池は護岸に囲まれ、抽水植物が全くない。トンボ的には限りなく零点に近い環境にも関わらず、コ
ノシメントンボで賑わっている光景は意外だった。底に豊富に溜まった泥や藻が鍵なのかも知れない。

そして今日。
ふと思い出し、駅前に行くついでに一橋大学構内の池を訪れてみた。

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ここもコノシメトンボで大賑わいだった。
この池も見るからに食指が動かない環境だが、やはり水中には藻が豊富にある。
どうやらコノシメトンボは、水中環境が整っていさえすれば、外観には全く拘りが無いようだ。

今までアカトンボ属は一部の種を除いてあまり関心を持ってこなかったが、ファインダーを通して観察
してみると新たな発見があり、楽しい。

もうしばらく近所のコノシメポイント通いを続けてみよう。







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by brunneus | 2018-10-28 21:22 | 東京 | Comments(2)
2018年 10月 08日

春と秋

ルリボシヤンマの雌を求めて、都内の谷津を訪れた時のこと。
岸辺でじっと雌の飛来を待っていると、待望のシルエットが舞い降りて、足元で産卵を始めた。さっそ
くファインダーを覗くと、、

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そこにいたのは目的のルリボシではなく、オオルリボシだった。
オオルリボシは撮り飽きているが、貴重な都内産の雌だ。丁寧にその姿をレンズで追っていると、オオ
ルリボシ雌の背後に、別のヤンマらしきトンボが降り立った。

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一瞬、脳内のデータベースが「該当種なし」と回答する。無理もない。そのヤンマは、とうの昔にシー
ズンを終えているはずのクロスジギンヤンマだったのだ。

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春のヤンマと秋のヤンマのツーショット。なかなか見られない風景ではないだろうか。

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クロスジギンの雌も、頻繁に場所を変えながら接近し、しまいにはすぐ目と鼻の先で産卵している。
以降、1時間近くに亘って、2種のヤンマは一心不乱に産卵に勤しんでいた。

クロスジギンヤンマは春に個体数が多いヤンマではあるが、山間部では秋にも時々目にする。水温の関
係か、2化しているのかは分からないが、平地と山間部で発生パターンが変わるのが興味深い。

この日はルリボシヤンマこそ姿を見せなかったが、思わぬサプライズで充実した一日となった。








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by brunneus | 2018-10-08 00:19 | 東京 | Comments(0)
2018年 10月 01日

5年振り

例年、都内西部のマルタンは9月中旬を過ぎるとぱたりと姿を見かけなくなる。
今年の秋は雨が多い。マルタンが終わる前にもう一度姿を見ておきたくて、悪天の隙をついて、とって
おきのポイントを訪れた。
マルタン雄は1匹だけ飛んでくれたが、終了間際、岸辺を黒いトンボがゆっくりと行き来しているのが
目に入った。殆ど視界が利かないので良く見えないが、マルタン雄にしては黒すぎる。眺めるうちに、
ある確信に変わった。
狙いを定めてさっと竿を振ると、微かな手応え。ネットから取り出すと、やはり!


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エゾトンボ雄。
この場所で最後にエゾトンボを手にしたのは2013年。実に5年振りだ。
個人的な印象では、都内のエゾトンボは山沿いや丘陵地沿いの湿地を点々としながら細々と世代を繋い
でいるのだと思われる。この場所では2012年、2013年と連続して見られたが、その後全く見て
いない。ついに絶えたかと思っていたが、どこからともなく再び飛来したようだ。この日、どう見ても
エゾトンボ雌らしきシルエットのトンボが高空を摂食するのを目撃したので、数年後、彼らの子孫にま
た出会えるかもしれない。

今年のマルタンは尻すぼみに終わったが、思わぬ外道に嬉しくなった。






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by brunneus | 2018-10-01 21:55 | 東京 | Comments(0)
2018年 09月 12日

久々

都内のタカネトンボの池。
今年は8月下旬に初めて訪れたのだが、タカネトンボは少なく、常に飛んでいるはずのルリボシヤンマ
も全く見なかった。たぶん、暑過ぎたのだろう。

9月に入っても暑い日が続いたが、涼しい風が吹いた日、再び訪れてみた。

まず木陰の岸辺を確認。しばし待つと、見慣れたシルエットが見えた。

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タカネトンボ。雄一匹だけだが、几帳面に岸辺を周回している。

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せかせかと飛ぶ雄を眺めつつ目的の雌の産卵を待つが、一向にやってこない。雄も昨年はひっきりなし
にやってきては争いを繰り広げていたが、今日は周回するのは一匹だけ。その雄も、何かの加減で池を
飛び出したきり、戻ってこなかった。どうもこの池では、今年はタカネトンボが不作のようだ。

タカネは消化不良だったが、そのかわりこんなトンボを手にすることができた。

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オオルリボシヤンマ。

昨年、この池で雌は手にしていたが、都内産の雄を手にするのは二回目。前回は10年以上も遡る。
都内のオオルリボシは、個人的な相性がすこぶる悪い。目撃情報を元に訪れ、空振りした経験は数知れ
ない。都内に本当にオオルリボシがいるのかさえ、確信が持てなくなった時期もあった。
それは現在でも変わらないが、今日は運が良かったようだ。

秋雨前線が本州に居座っているので、なかなかフィールドに出られない日々が続いている。次の晴れ間
は一気に季節が進んでいるかもしれない。








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by brunneus | 2018-09-12 14:51 | 東京 | Comments(0)
2018年 09月 04日

無筋→背筋

先日のウチワヤンマの池。
岸辺のヒシの上を良く見ると、ちらちらと青いイトトンボが飛び交っている。

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以前ここに未見のオオイトトンボを求めてやってきて、首尾よく発見、家で撮影してみると、ムスジイ
トトンボに化けていたことがあった。そもそも、クロイトトンボ以外のParacercion属の識別法なんぞ、
頭に入っていないのだ。

この日も、岸辺の青いイトトンボはムスジイト、と信じて疑わず、改めて撮影するために雄一匹のみ持
ち帰った。そして撮影。

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どうも違和感があったので、よくよく調べてみる。

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大きな三角形の眼後紋、上から見て左右に開き、側面から見ると下付属器よりも明らかに長い上付属器。
肩黒条中の明瞭な淡色条、、。

これはどうやらムスジではなく、セスジイトトンボのようだ。セスジイトは、都内ではどこに行けば見
られるのかさっぱり見当も付かず、Paracercion属の中では撮影は一番後回しにしていた種だった。
この日は連結態もいくつか見られたのだが、ムスジイトとばかり思って無視していたのが痛恨の極み。

シーズン中にもう一度行きたいが、時間が取れるのだろうか、、。









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by brunneus | 2018-09-04 17:13 | 東京 | Comments(0)
2018年 09月 01日

団扇の日

多摩地域では出会いが少ないウチワヤンマを見に、数年振りに訪れる名産地へ。
シーズンも末期だが、現地に到着した瞬間に、さっそく勇ましい姿が。

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さすが多産地、数十mごとに、ぽつり、ぽつりと岸辺の枝に止まる姿が見られる。面白いのは、近付く
そぶりを見せただけですーっと逃げてしまう個体と、このように限りない接近を許してくれる個体がい
ること。

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雄は難なく見られたので、次は雌、、ということになるが、そう簡単に交尾態が目の前に現れてくれる
はずもない。昔あった雌が集結するポイントも環境が改変されてしまい、期待できない。

そんな時、ふと頭上を見上げてみると、、

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意外と身近な場所にいたようだ。これ以外にも、少し奥まった所で複数の雌が休む場所を発見。
最初の目的をあっさり遂げてしまったので、密かに狙っていた虫を探すが出現せず。

時間が余ったので、大きく移動してマルタンヤンマでも見に行こうとも思ったのだが、おりからの猛暑
でバテてきたので、大人しく撤収することにした。

短時間の滞在だったが、相変わらずの光景が見られて安心。

さて、暦は秋に突入。シーズンはいよいよ終盤に差しかかってきた。






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by brunneus | 2018-09-01 00:36 | 東京 | Comments(0)
2018年 08月 14日

来て良かった

昨日。
「局地的に雷雨」という朝の予報は聞いていたが、マルタンヤンマのために午後を空けておいたので、
リュックに竿を忍ばせて職場へ。

仕事を終えて外に出ると、既に頭上はどす黒い雨雲に覆われている。そして駅に着く頃には大粒の雨が
降り始めていた。まだ午後の早い時間だというのに日没後のような暗さで、行き交う車はライトを点灯
している。
この光景にはすっかり気持ちが萎え、大人しく帰宅して日々の疲れを癒そうと思ったが、「局地的に雷
雨」の「局地的」という言葉に僅かな希望を捨てきれない。自分がいま立っている場所が雷雨でも、ポ
イントは青空が覗いているかもしれないのだ。
帰りたい気持ちと、ポイントを見てみたい気持ちが入り交じる中途半端な気持ちのまま、ずるずると家
とは反対方向へ。

そして最寄り駅に到着。
そこで見たのは、希望を打ち砕く薄暗い風景と、しとしとと降る雨。しかし不思議と引き返そうという
気持ちが湧かない。傘を差して黙々とポイントを目指すというシュールな状況に、なんだか可笑しくな
ってくる。
そしてポイント。ここでもやはり、無情な雨。しかし西の空が少し明るくなっているのと、雨の中、一
匹のマルタンヤンマ雌が摂食するのを見て、少し待ってみようと思った。

雨宿りしていると小降りになってきたので、谷へ入ってみる。
産卵場所を探して飛び回るマルタン雌が二匹。良い兆候だ。

そして10分後。
褐色翅の引き締まった体型のヤンマが、頭上を真っ直ぐに飛び去る。やはり出てきてくれた!

静かに見守ると、後ろからもう一匹。二匹は頭上でもつれ合いながら通過。
前方に飛び去り、一匹が遥か彼方で引き返して真っ直ぐにこちらへ向かってくる。充分に引き寄せて竿
を振る。快音!

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美しく色付いた秋のマルタン雄。雨の中、来て良かった、、。
その後は数匹の雄が頭上を飛び交い、日没後は頭上を多数の雌が旋回する、典型的な「秋モード」の光
景を心行くまで堪能した。

もう一度。
「雨の中、来て良かった!」








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by brunneus | 2018-08-14 00:14 | 東京 | Comments(0)
2018年 07月 28日

ヒゲコガネ2018

ここ数週間ほど、仕事の後に夜な夜な多摩川中流に出かけている。
ターゲットはこの虫。

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ヒゲコガネ。
数年前から、馴染みのポイントでは、おそらく灯のLED化でヒゲコガネが全く採れなくなっていた。以
来この虫からは遠ざかっていたのだが、今年は新たなポイント開拓をすべく、いくつかの場所を巡って
いたのだった。

結果はそれほど数は多くはないものの、広く薄くヒゲコガネが見られた。
印象的だったのは、雄よりも雌が多かったこと。本来ヒゲコガネは灯火に飛来するのは雄が圧倒的に多
く、雌は稀なはずだ。発生後期だからか、時間の関係か、、。

ヒゲコガネはコフキコガネ類の最大種。国産コガネムシ科の中でも、ヤンバルテナガコガネ、カブトム
シ、タイワンカブトムシに次ぐ大きさだ。
そんな大きな虫が歩道に落ちていれば気付きそうなものだが、ポイントには点々と踏みつぶされた死骸
があった。
ポイントの歩道は仕事帰りやジョギングなどで往来が激しい。ヒゲコガネの存在に全く気付かぬ人々に
踏まれる前に発見するには、飛来して歩道に落下したばかりの個体に出会うしかなく、これがなかなか
難しい。
踏みつぶされながらも、まだ動いている個体を何度か見たが、その度に「あと数分前に通っていれば!」
と歯ぎしりする。

街灯のLED化は、こうした無惨な死を防ぐ点で言えば喜ばしいことだとは思うが、虫屋の立場からする
と、ちょっと複雑、、。








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by brunneus | 2018-07-28 22:28 | 東京 | Comments(0)