トンボの日々

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2018年 08月 28日

徒労

先日。
用事のついでに、長野の高原地帯の池を数カ所巡った。天気は申し分ない。

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池までの道を振り向けば、八ヶ岳がずらりと並ぶ最高のロケーション。望遠で拡大してみる。

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赤岳から続く天狗尾根。大天狗と小天狗がここまで鋭く天を突くように見えるのは、この地域ならでは。
そして右側の裾野から僅かに覗く気になる突起を拡大してみる。

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奥秩父の盟主、金峰山だ。まさかここから見えるとは思ってもみなかった。
そして池。

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時間、天候共に問題はないはずだが、飛んでいるのはギンヤンマが一匹。目的のオオルリボシヤンマの
姿は皆無。岸辺を歩いても、足元から飛び出すオオルリボシの雌も無し。
いくら待っても状況が変らないので転戦するが、その先でもオオルリボシは一匹も見なかった。

関東ではオオルリボシは8月中旬以降、既に飛び出しているので、標高が高い高原地帯では活動のピー
クに入っていると目論んでいたのだが、見事に外れてしまった。

やはりまだ気温が高過ぎるのだろうか、、。
ネットを振る機会も、トンボに向けてシャッターを切る機会も殆どなく、単なる望岳の一日となってし
まった。徒労に終わった日は、帰りの足取りも重い。

オオルリボシに出会える日は、いつになるのだろうか。








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# by brunneus | 2018-08-28 00:47 | 長野 | Comments(0)
2018年 08月 20日

念願

ホソミモリトンボは、本州では高標高地の高層湿原に棲息している。このトンボに出会うためには、長
いアプローチを乗り越えることと、好天という条件がセットになる。
そんなわけで、なかなかホソミモリのために遠征する機会に恵まれなかったのだが、先日、ついに晴天
と休日が重なった。
しかし、麓が晴れていても、このトンボが飛ぶ標高に雲がかかっていれば成果は望めないので、最寄り
駅に着くまで安心は出来ない。
そして駅に到着。目指す山塊に怪しげな雲がないのを確認して、決行。

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気温は低く、あたりはぴんと張りつめた初秋の空気に支配されている。カラマツの梢から時々響くヒガ
ラの呟きと、林の奥から眠たげなエゾゼミの声が聴こえる以外は、静かだ。
今回は、今まで成果がなかったポイントを見切り、自己開拓で目星を付けた場所へ行く。確かな記録に
は出会っていないので、ある意味賭けだ。

カラマツ林の静かなハイキングの末、ポイントに着。
環境は素晴らしいが、トンボがいない。一抹の不安を感じながら湿原を巡ると、10m以上先の草間を
ぽつんと飛ぶ影を発見。望遠レンズで覗いてみる。

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いた!ホソミモリトンボ雄!
しかし飛ぶのは射程の遥か先。近付く気配が全くない。ホバリングと移動を繰り返しながら飛ぶ様は、
エゾトンボ雄そっくりだ。しかし体型はずっと華奢で、小さい。直射日光に灼かれながら、じっとチャ
ンスを窺う。

どれくらい待っただろうか。
何かの拍子に、ついっとこちらへ流れてきた。その瞬間、竿を振る。「かさっ」という気持ちのいい音。

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手にしてみると、やはり小さい。昨年も書いた気がするが、感覚的にはカラカネトンボと同じくらい。
そしてすぐ壊れてしまいそうな繊細さと儚さを持っている。そのあたりはミナミトンボに近いかもしれ
ない。
ホソミモリトンボは、昨年は雌は何とか手に出来たが、雄の採集は叶わなかった。
挑戦し続けて3年目にして、念願の雄を手にでき、やっと肩の荷が降りた。



帰り道。
カラマツ林の林床のササ原で「キチキチキチ、、」と鳴く直翅が気になったので手掴みしてみる。

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ヤブキリだ。東京近辺のヤブキリは、「シリシリシリ、、」と聴こえるが、所変われば鳴き声もずいぶ
ん変わるものだ。しかもこの個体、東京近辺のものよりだいぶ小型で、体型も丸っこい。
ヤブキリの分類はカオス状態なので、これが何ヤブキリなのか正確には分からないが、調べて一番近い
のが「ヤマヤブキリ」というグループ。ヤブキリは馴染みがありすぎてまともに向き合ったことがない
が、多様性をキーワードに調べてみると、なかなか面白いかもしれない。


初秋の空気を吸い込むと、シーズンオフが近いことを嫌でも感じてしまう。
残された短い時間、再び嬉しい出会いに巡り会えることに期待しよう。









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# by brunneus | 2018-08-20 23:57 | その他 | Comments(0)
2018年 08月 14日

来て良かった

昨日。
「局地的に雷雨」という朝の予報は聞いていたが、マルタンヤンマのために午後を空けておいたので、
リュックに竿を忍ばせて職場へ。

仕事を終えて外に出ると、既に頭上はどす黒い雨雲に覆われている。そして駅に着く頃には大粒の雨が
降り始めていた。まだ午後の早い時間だというのに日没後のような暗さで、行き交う車はライトを点灯
している。
この光景にはすっかり気持ちが萎え、大人しく帰宅して日々の疲れを癒そうと思ったが、「局地的に雷
雨」の「局地的」という言葉に僅かな希望を捨てきれない。自分がいま立っている場所が雷雨でも、ポ
イントは青空が覗いているかもしれないのだ。
帰りたい気持ちと、ポイントを見てみたい気持ちが入り交じる中途半端な気持ちのまま、ずるずると家
とは反対方向へ。

そして最寄り駅に到着。
そこで見たのは、希望を打ち砕く薄暗い風景と、しとしとと降る雨。しかし不思議と引き返そうという
気持ちが湧かない。傘を差して黙々とポイントを目指すというシュールな状況に、なんだか可笑しくな
ってくる。
そしてポイント。ここでもやはり、無情な雨。しかし西の空が少し明るくなっているのと、雨の中、一
匹のマルタンヤンマ雌が摂食するのを見て、少し待ってみようと思った。

雨宿りしていると小降りになってきたので、谷へ入ってみる。
産卵場所を探して飛び回るマルタン雌が二匹。良い兆候だ。

そして10分後。
褐色翅の引き締まった体型のヤンマが、頭上を真っ直ぐに飛び去る。やはり出てきてくれた!

静かに見守ると、後ろからもう一匹。二匹は頭上でもつれ合いながら通過。
前方に飛び去り、一匹が遥か彼方で引き返して真っ直ぐにこちらへ向かってくる。充分に引き寄せて竿
を振る。快音!

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美しく色付いた秋のマルタン雄。雨の中、来て良かった、、。
その後は数匹の雄が頭上を飛び交い、日没後は頭上を多数の雌が旋回する、典型的な「秋モード」の光
景を心行くまで堪能した。

もう一度。
「雨の中、来て良かった!」








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# by brunneus | 2018-08-14 00:14 | 東京 | Comments(0)
2018年 08月 07日

ハネエゾ三昧

少し前のこと。
久しぶりに訪れるハネビロエゾトンボの産地に、カメラを担いで訪れた。
相変わらず狂った暑さの毎日で、アプローチのことを考えただけでゲンナリするが、チャンスはこの日
しかない。曇りがちで日差しが弱いことが唯一の救いだ。

ポイントに到着すると、探すまでもなく、流れの上を往復する雄の姿。

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見ているとひっきりなしに雄がやってくる。個体数が多いことには安心したが、飛び方に落ち着きがな
い。撮影は苦戦しそうだ。

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ホバリングする時間も少なく、ファインダーに捉えた瞬間に他の雄に干渉され、一瞬で姿を消してしま
う。蒸し暑さで集中力も途切れがちだ。この状態では雌の産卵は厳しいか、、。

流れを行き来しながら、雄の密度が薄い場所を重点的に見て回る。そしてついに!

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チャンスはこの一回だった。いつ雄に見つかるかハラハラしながらの撮影だったが、最後には雄に連行
されて終了。

不満は残るが、一応、目的は達成できたのと、暑さでバテてきたので撤収。
帰り際。心当たりの木陰を覗いてみると、、、

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やっぱりいた。
木陰に避暑する雄。眠っているのか、こちらが多少ラフに動いてもびくともしない。
近くの枝にも別の雄の姿を発見したので、視線を移動させると、見えてきた光景に思わず息を呑む。

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狭い範囲に2雄1雌。実際はこの画角のすぐ外側にも雄が止まっている。さらに奥へ歩くと、、。

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雌が2匹。

ハネビロエゾトンボが、これほど高密度に静止している状況を見たことがない。やはり気温の高さに起
因した現象なのだろうか。

汗だくの一日だったが、滅多に見られない光景を目に出来て満足。
こんな日は帰路の長いアプローチも苦にならない。






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# by brunneus | 2018-08-07 17:26 | つぶやき | Comments(2)
2018年 08月 05日

沼の木陰

真夏のある日、馴染みの産地にネアカヨシヤンマを観に行った。
狂気に満ちた日差しから気休めの涼を求めて林の中に入るが、地面からの草いきれで不快指数は変わら
ない。滴る汗に視界を遮られつつ、木立の中を凝視すると、目的のシルエットが西日に浮かび上がった。

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ネアカヨシヤンマ。
既に老熟しているらしく、翅が褐色に煙っている。
さらに目を凝らすと、近くに別の雄。

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今まではあまり林内で休息するネアカヨシを気にかけたことはなかったが、探してみると案外見つかるも
のだ。しかし高湿度の環境で集中力が続くはずもなく、早々に撤収した。

そして日没後。
この日も頭上を縦横に飛び交うネアカヨシたちを堪能できた。この風景を見ないと夏が来たことを実感
できないのだ。

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猛暑の日の黄昏時は、空が燃えるような色に染まる。
夜の鳥が叫び声を上げるなか、静かな田舎道を駅へとのんびり歩く。


昨日、国立駅前で今年初のアオマツムシの声を聞いた。
秋が既に始まっているようだ。






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# by brunneus | 2018-08-05 01:59 | 千葉 | Comments(4)